
工 素子(たくみ もとこ):
ミラノにてプロダクト・インテリアデザイナーに師事。イタリアデザインのみならず衣食住についても勉強中!

河合 妙子(かわい たえこ):
フォトグラファー&ライター。西・仏・英・中の4ヶ国語OK!トレドを拠点に、スペインの情報を発信します。
こんにちは!スウェーデンの須藤です。
先日、マイケル・ジャクソンが初めてムーンウォークを披露した際につけていた手袋が、オークションで超高値になったというニュースが流れていましたが、スウェーデンでもあるオークションが大きな話題を呼びました。
2年前に亡くなった巨匠映画監督イングマール・ベルイマン(Ingmar Bergman 1918-2007)の遺品オークションです。
彼が亡くなった自宅の家具調度などがまるまる出品されました。
出品一覧に掲載されていた予想落札価格は格安だったのですが、
なんと競売商さえも予想していないほどの競札合戦になったのです。

(C)Bukowskis
チャールズ・イームズの傑作、ラウンジチェア。
ベルイマンがここでくつろぎながら本でも読んでいたのでしょう。
予想価格は50万円でした。
ちょっと高い印象がありますが、ベルイマンが使っていたのならば悪くない値段ですよね。
…これが、いくらになったと思いますか?

(C)Bukowskis
まずはこちらから紹介。素朴なデザインの松の椅子10脚。
特別な物ではなく、どこにでもありそうな一般的な椅子です。
予想落札価格は10脚合わせて35000円。無難な額だと思います。
しかし、落札価格はなんと250万円!
手数料を含めると総額300万円(一脚あたり30万円)に…。
驚きました。
先ほどのイームズのラウンジチェアは、予想価格を大きく上回る150万円で落札されました。
新品を購入するよりも、間違いなく高額です。

(C)Bukowskis
これもシンプルなGustavsberg製のお茶セット。
茶染みもありますし、特にコレクターズアイテムでもありません。
予想価格は2万円でしたが、落札価格は20万円に跳ね上がりました。
安めの評価があったこれらの物でさえ派手に高騰した中、本当に価値がある物はどうだったのでしょうか。

(C)Bukowskis
こちらはストックホルム王立劇場の模型で、内部には電動部分もあり、非常に凝った構造となっています。
監督にプレゼントするために、特別に作られたそうです。
貴重な物にもかかわらず予想価格は40万円。
予想価格を決める競売商の評価が低いのが不思議なのですが、落札価格はなんと1300万円!
激しい入札が行われました。

(C)Bukowskis
カール・マルムステンがデザインした書斎机Arkitekten。
ベルイマンがここで脚本を書いていたのでしょう。
予想価格25万円だった物は、200万円で落札されました。

(C)Bukowskis
これもカール・マルムステンによるサイドボードSläden。
必要ない時は収納できる構造となった綺麗な机で、新品は25万円くらいと非常に高価です。
しかし13万円の予想から、落札価格110万円に。
新品を遙かに超えるとんでもない額になってしまいました。
なぜでしょうか?

(C)Bukowskis
ベルイマン直筆による書き込みと、サインがテーブル上にあったからです。
この書き込みから、この机は電話台として使われていたことが想像できます。
メモ用紙が見つからなくて、直接書き込んだのでしょうね(笑)。

(C)Bukowskis
この辺りで、普通のオークションではない様相になってきました。
予想価格13000円という極めて無難な評価だったこの椅子4脚は、やはり応札合戦となり、落札額は20万円。
歴史に残るオークションになったと、翌朝の新聞では話題になっていました。
ベルイマンのファンや、コレクターが世界中から参加していたようです。
たった350点弱の出品数にもかかわらず、10時間近い競札
(普通は3時間もあれば終了する量)になってしまいました。
記事と一緒に載っていた写真は、疲れ切った顔をした競売商の係員たちでした。
どこの世界でも、ファンというのはすごいですね。
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