MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

免震構造と耐震構造の違いについて教えて下さい[question]

M7.3を記録した1995年の阪神淡路大震災から10年、首都圏にも大震災が近いと言われて、人々の関心も高まりつつあります。これを受けてディベローッパーや住宅メーカーなどによる地震に配慮したマンションや戸建住宅の販売も増えています。免震構造、耐震構造などという言葉も耳にすることと思います。

どのような方法でも、地震に完全に対処できる構造というものは存在しません。より対策を強化していくことはできますが、その分価格が高騰していきます。誰も買えない価格では意味がありません。現在の基準では、過去の大震災クラスに対して、人命の安全確保を目標に設定しています。それぞれの特徴を整理してみましょう。


●法的基準の変遷と耐震の考え方
1981年6月以後に建築確認申請された建物については、大地震の被害経験を生かして改正した建築基準法(新耐震基準)が適用されました。設計地震力に対する考え方が大幅に変更されました。1995年には耐震改修促進法が施行され、公共性の高い建物について耐震診断を行い、必要な指標に満たない場合は補強改修することを努力義務としました。

現在の建築基準法では、中地震時(震度5弱程度、約80~150gal)で建物の躯体は健全、仕上げ材などの被害は軽微であること、大地震時(震度6弱程度、約270~480gal)で建物は倒壊せず人命は保護されることを目標としています。


●耐震構造の特徴と問題点
0729_1.jpg文字通り、地震に対する本体の損傷を少なくする方法で、木造よりは鉄筋コンクリート、同じ木造であれば筋交いなどの補強をましたもの、鉄筋コンクリートであれば柱や梁の鉄筋をより強化したり、コンクリートの厚みを増したりしたものを、耐震性を高めた構造と言い、絶対的な耐震構造というものは存在しません。

しかし建物を頑強に作ると、建物はますます強く揺れるようになります。耐力壁以外の壁や内装や家具の損傷が大きくなります。阪神淡路大震災では、家具などの下敷きで多くの人命が失われました。配管なども設備も無償というわけには行きません。実際に居住に耐えうるかどうかは保証の限りではありません。


●免震構造
0729_2.jpg建物の上層部(つまり簡単に言うと地上に出ている部分)と基礎との間に積層ゴムや鋼球などをサンドウィッチして、地盤のゆれを直接上層部に伝わらないようにしたものです。上層の各階の振動に差は生じず、家具などの転倒も少なくなります。身近なものでは、日曜大工店などで販売しているパソコンやTVなどの家電製品を地震から守るために粘着性の転倒防止シートをイメージしてください。

ただし施工の精度が重要で、精度次第ではかえって問題をはらむようになります。積層ゴムの交換等メンテナンスの技術的質と精度も問われコストもかかります。

その他にも、縦ゆれに対しては充分機能するか疑問が残り、次には直下型と言われる首都圏の地震にどのように働くか定かではありません。


●制震構造
0729_3.jpg基本的な耐震構造をベースに、筋交いや建物の要所々々に、粘着性の材料を挟んだ制震金具、ばね等でゆれを振り戻したり、粘りを加えたり、ゆれを吸収したりする仕組みです。建物の工法や構造で制震装置を取り付ける位置に充分配慮する必要があります。

自然災害を人類が完全に制御することはできません。どの方法も完全なものはありません。このように、日本は世界的にも有数な地震国でありながら、まだまだ地震対策は発展途上といわざるを得ません。個人でできる対策を万全にして、建物の構造や地域性、地盤などの特性と地震対策工法の特徴を充分に確認して、個人の責任で選択ください。まさに地震対策が最大のリスク管理といえます。

question.jpg

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.interblog.jp/bizmt/mt-tb.cgi/92

コメント (2)

めがね:

関東住まいなので、地震がとても心配です。
こちらの情報はとても役に立ちました。

都民A:

とても参考になりました。我が家でも実践していきたいですね。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


PAGE TOP