
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
Q:不動産広告で物件を見極めるポイントはありますか?
A:おとり広告などに惑わされずに、しっかりした物件を見極めるには、信頼できる会社かどうかをチェックすることが重要です。また、インターネットや情報誌などで、物件の比較をすることもおすすめします。ちなみに、「格安物件は存在しない」と思ってください。何かしら問題箇所があるか、表示が適切でないかを疑ってみてください。
公正取引委員会は、不動産公正取引協議会連合会(※1)から認定申請を受けて、「不動産の表示に関する公正競争規約」の変更案について、公聴会を開催すると8月26日付けで公告しました。昨今のインターネット取引の普及などの取引形態の多様化に向けたもので、広告媒体や対象不動産の販売形態などごとに詳細に規定されています。一般消費者がこれら全てを把握するのは困難ですが、インターネットで閲覧できますので、気をつけるポイントは理解できると思います。
※1…不動産公正取引協議会連合会は、全国9ブロックの不動産公正取引協議会で構成されています。公正取引委員会の認定を受けて、適性表示等を統一して推進しています。関東地区は「社団法人 首都圏不動産公正取引協議会」が担当、運用しています。
●注目すべき基本事項
公正取引協議会加盟業者の確認…公正取引協議会加盟業者であれば、広告表示は統一の約束事に従ってなされているはずですので、この点を確認してください。
行政処分状況の確認…東京都の場合であれば都庁の不動産業課に行くと、都が過去5年間にその業者に処分を与えたかどうかが検索できます。事前に都庁に連絡して業者が都に登録されているかどうか問い合わせのうえ、処分状況を確認してください。
登録免許番号の確認…登録には知事免許と国土交通大臣免許があります。東京都知事免許は5年ごとに更新が必要で、【東京都知事免許「※」第○○○○○号】の「※」の部分に更新回数が記載されます。したがって、「1」であれば、まだその地域で創業間もないことになります。ただし、数値が高ければ信頼できるということではありません。
必要表示事項の確認…公正取引協議会は公正競争規約により必要表示事項を定めています。必要事項がしっかり表示されているか確認しましょう。
<公正競争規約による必要表示事項の例>
1 広告主の名称又は商号
2 広告主の事務所の所在地、電話番号
3 免許証番号
4 所属団体名及び公正取引協議会加盟業者である旨
5 取引態様
6 物件の所在地
7 最寄駅の名称及び最寄駅等から物件までの徒歩所要時間、利用交通機関の種別、所要時間等
8 販売総面積及び販売区画数等
9 地目
10 価格
11 現況有姿分譲地の表示事項
12 国土法による許可または事前届出を要する時はその旨
13 取引条件の有効期限
●広告では分からない問題事項の例
駅からの距離などは現地に行って測ればすぐわかりますし、インターネット上の地図などでも簡単に推測可能です。広告に記載されている事項のうち実際に見たり、隣家に聞いたり、公表されているデータを調べることは、労力さえかければ可能です。ただ、専門的知識が必要な場合は、問題を発見するのが容易ではありません。それだけに信頼できる会社の選択が大切です。高額な買い物ですので、専門家の診断を聞くこともあわせて考えてください。事例をいくつか参考にあげておきます。
土地に関する事項の例
・建築ができない、または制限されている区域や地目
・敷地面積に私道分を含んでいる
・道路拡張のため(建築可能な道路とするには4mの幅が必要)敷地境界線を後退する必要がある場合
・道路につながっていない(=他人の敷地に囲まれている)土地
・高架線下などで利用が制限される土地、その他問題のある土地
建物関する事項の例
・違反建築の中古物件などで、建替え・改築・増築などが不可能な場合
●住まいに対する要望をまとめておく
これまで、ご説明してきたように、信頼できる会社かどうかを判断することが大切です。同時に、ご自身のライフプランを明確にしてから不動産広告を見ると、だいぶ見方が変わるはずです。以下の例を参考にしてみてはいかがでしょうか?
・住まいの購入や建設の目的、どんな暮らしをしたいか
・住みたい地域とその理由
・投入できる費用の総額
・広さや交通の便などの詳細条件のリストアップと優先順位
など

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