
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
お待たせいたしました。
前回の<1幕>に引き続いて、いよいよ<2幕>です。
前回は住まいづくりのプロデューサーとして、自分自身を見つめ、つくりたいものを明確に浮かび上がらせる過程でした。今回はいよいよ、それをもとに周囲を動かしていく工程です。まだ<1幕>をご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。
<2幕> 事業計画を練る
映画や演劇は受け手に夢やメッセージを伝える芸術ですが、大勢がかかわるひとつの事業でもあります。事業計画がしっかりしていなければ、ふさわしい予算の配分ができず、意図した目的の実現が難しくなります。自分流の住まいづくりも同じなのです。
<5場:Step5> 資金つくりと予算配分
大切なことは住まいづくりの総予算を把握することです。必要な資金は、全て同時に必要なものばかりではありません。ライフプランニングシートをつくって収支を確認すると、あわてて不利な条件で貯蓄や金融商品を解約しなくても済むかもしれません。
支出は「住まいの取得に関する諸費用及び付帯費用」を参照して必要な項目と額を必要な時期にセットしてみましょう。

「建売を購入」、「売建物件を選択」、「土地を買って建物を建てる」などの違いにより、必要な資金の項目は若干違いますが、購入価格だけではなく、必ず総予算を算出ください。最初は概略でかまいません。この作業は、精度を高めながら繰り返し確認していきます。予算をオーバーした場合は、<1幕>に戻れば優先順位が再認識できるはずです。
<6場:Step6> シナリオづくり
費用面のやり繰りと同時に、<1幕>で抽出した夢と描いた「1枚の絵」を、住まいを取得するにあたって協力してくれる会社や人々に伝える作業があります。夢をストレートに語る以外に、立地時要件や性能、機能に置き換えてまとめておきましょう。いくつか候補となる物件がある場合にも比較検討資料として役立ちます。条件と性能や機能面の項目を参考にまとめておきました。


あくまでも一例ですので、自分自身の要望事項を<1幕>の過程を振り返りながらリストアップしてください。
<7場:Step7> スタッフとキャストの選定
住まいは「資産」であり、「生活の道具・空間」です。同時に家族の「夢が詰まったパートナー」でもあります。この多様性が住まいを取得するうえでの難しさです。当然<1幕>の自分だけの作業の段階と比較して、より専門的な作業も多くなります。それだけに、「資産面」「機能面」「暮らし面」など、それぞれの専門家を上手に選び、上手に活用することは大切なポイントです。建売住宅やマンションは、信頼できる販売会社の選定を行えば、各分野のスタッフはその会社のスタッフとして自動的に決められていますが、要所でセカンドオピニオンの専門家を上手に活用しましょう。
<8場:Step8> 演出
後は、今までの過程を踏まえて、実際の住まいづくりの作業をチェックしていくだけです。ここまでの過程がしっかりしていなければ、演出の負担は相当なものでしょう。反対に過程をしっかり作り上げていれば、演出として付け加えるものはあまりありません。
既にできあがっている建売住宅を購入するような場合は、Step1からStep3までで抽出した夢が実現できるか、1枚の絵にこめられた「一番大切なもの」が実現できるか思い描いてみましょう。
<カーテンコール>
カーテンコールでは、観客がドラマの余韻に酔い、作り手は観客の反応にほっとしているでしょう。住まいづくりのストーリーで、カーテンコールに登場するのは今までのキャストではありません。「新しいキャスト」つまり住み手です。本当のドラマはここから始まります。しっかりしたライフプランニングに裏付けられたセットは、住み手として演じやすく、夢の実現に大いに寄与するに違いありません。
また、演劇で考えれば日々演じるごとに、より良く改善されていくでしょう。再演時には大幅な見直しがされるかもしれません。住み手の日々の工夫と折々の人生の節目にライフプランニングを見直す事が大切です。
「デザインを志すならば、まず自分の人生をデザインせよ!」…建築を勉強し、大学を卒業後に入社した会社の上司の教えです。
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