
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
Q:住宅の名義が本人3/5、父親2/5となっています。離婚することになり、妻と子供に土地・家を渡そうと思います(慰謝料の代わりとして、協議離婚するために)。父親→本人、本人→妻への変更の手続き方法はどのようにしたら良いでしょう。
A:具体的にお答えする場合は弁護士の分野なので、一般的な話としてどのような方法があるか探ってみたいと思います。ヒントとなるものがあれば、それをもとに最終的に弁護士等とご相談ください。
●慰謝料と財産分与
ご質問には婚姻期間が記載されていませんが、離婚に伴う慰謝料や財産分与には、原則贈与税はかかりません。しかし、婚姻期間や諸事情を考慮しても過大と判断された部分については課税の対象となり得ます。今回のご質問は「慰謝料として」とされていましたが、財産分与と分けて考えたほうが良いでしょう。
慰謝料の目安は婚姻期間や離婚に至る責任の度合いによって異なります。また、離婚による財産分与とは、婚姻期間中に形成した財産は、たとえ片方の名義になっていても夫婦で協力した結果とみなし、離婚の際に贈与するものです。

●離婚に伴う居住財産の分与
本人の持分の土地と家がどのような経緯で取得したものであるかが問われます。もし、本人の持分部分が、婚姻中に形成された財産である場合は、財産分与の対象となります。

●親から本人に名義を移転する方法
親から買取る方法…正式の売買契約書を交わし、買取ります。現金が不足する場合は、妥当な利子をつけて月賦払いで支払う方法も可能です。実際に返していくことが重要です。
※『共有名義の解除方法』参照ください。
贈与を受ける方法…相続時精算課税制度を利用して父親から親の持分の贈与を受ける方法があります。ただし、父親の年齢等の適用条件があります。年齢制限がない、平成17年末までの相続時精算課税制度の住宅取得に関する特例は2年間延長される模様ですが、本人居住が条件となるほか、父親などから取得する財産には適用されません。相続時精算課税制度はデメリットもありますので、充分に内容を確認したうえで選択してください。
●本人から妻への名義移転
本人から慰謝料や財産分与として贈与する…2人で形成した財産目録を作成し、合意に至った内容で離婚協議書を作成します。できれば公正証書にしておきます。公正証書は自分でもできますが、弁護士や行政書士に依頼もできます。
妻が夫の父親の持分を買取る…慰謝料や財産分与として妻に金銭を授与して、その金銭で買取る方法も考えられます。
その他…婚姻期間が20年以上ある場合は、贈与税の配偶者控除が2000万円あります。但し、申告は翌年となりますので注意ください。
税制面など、有利に居住用財産を贈与しようと思うと、離婚と贈与に時期的なずれが生じる場合もありますので、協議内容を公正証書にしておくことをお薦めします。年齢や資産形成の経緯、婚姻期間などの様々な条件によって、最良の方法は違うと思われます。
★今回はファイナンシャルプランナーとしての立場から回答させていただきました。詳しくは弁護士などと相談のうえ、ご検討ください。
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