MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

これからの住宅のトレンドについて[question]

Q:これからの住宅のトレンドは?

A:「モノ」や性能を媒介としたトレンドは、行き着くところまで来たように思います。家事ロボットなども話題ですが、今後は設備的な「モノ」の充実よりも、IT化の推進で、「家と家族」の図式、「社会と家庭」の図式などが変わっていくでしょう。


日本の住宅政策

戦後……圧倒的に住宅の戸数不足の時代で、1950年に住宅金融公庫が設立されたのをかわきりに、公団などの公的賃貸住宅が次々と建設され、ダイニングキッチンがトレンドに。
70年代…60年代に掲げた「1世帯1住宅」の目標が達成され、いよいよ「質」の時代へと移行しました。
80年代…まさに高度成長期で、住宅メーカーを中心として、いろいろなトレンドが提案されました。
90年代…設備の豪華さより、「健康」「快適」「バリアフリー」などがキーワードとなり、気密性・断熱性なども含めた住宅性能表示基準などが制定されました。
00年代…災害対策も含めて、1住戸の質から地域の居住環境へと、豊かさを実感できるような整備が広がっていくでしょう。


時代が要求するトレンド

防犯・耐震・防火・IT環境…耐震はもちろん、防犯もますます重要な性能になっています。
耐久性・耐用年数…地球環境保全の観点から、耐用年数が20年程度の日本の住宅は諸外国から問題視されています。木材の成長が50年であれば50年以上、100年ものの材木を使うのであれば、100年以上の耐用年数がないと、資源が枯渇するのは必然です。
資産価値…住宅の耐用年数が60年以上になれば、当然使い捨てではない「資産」としての位置づけが重要になります。


外部とリンクする住まい

IT技術の進展は目覚しく、今でも家庭に居ながらにして、世界のいろいろな情報を入手できます。今後さらに、カメラ付きIT電話などが本格的に開発されれば、遠くに居ながらにして同じリビングを共有するといったことも可能になるかもしれません。たとえば、これまで年に1回帰省していた方も、双方のリビングを共有してコミュニケーションをはかることもできるようになるかもしれないのです。また、いろいろなセンサー機能をつけた家電製品やトイレ、ベッドなどで、家に居ながら先進医療を受けることも可能になるでしょう。「家」がどんどん社会に向けて開かれていきます。リビングは社会との中継基地として機能し、住まいのあり方も大きく変化していくように思われます。


潜在的五感に働きかける

住宅メーカーで開発の仕事をしていた頃、バリアフリーの展示場を計画したことがあります。そのとき、フローリングと和室の畳とのわずか3cmの段差がなくなってみて初めて、高齢者でなくてもバリアフリーが快適なものだと知りました。また、高気密高断熱と空調設備の研究で、通常のエアコンの風にいかにストレスを感じていたかを実感しました。高気密高断熱と空調設備特有の柔らかな空気の流れの心地よさは、比較してみれば驚くほどの差です。

今後は、さらに潜在的心地よさ、それも精神的な分野も含めて考えられていくと思います。社会的閉塞感の中で、住まいが果たす役割は少なくないはずです。「癒しの時間」「快適な安眠」なども模索されていくと思われます。

ところで、本当のトレンドは、住み手の中にあります。これからはある意味では「脱トレンド」がトレンドとなるでしょう。まずは自分にとってのトレンドをライフスタイルに合わせて探り出してみてください。

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