
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
Q:一戸建ての住宅が希望で、建売住宅を探していましたが、「建築条件付き宅地」という広告を目にしました。価格も手ごろで、「自由設計」となっていました。「建売」「注文住宅」とどうちがうのでしょうか。
A:「建築条件付き宅地」とは、土地の売買契約後に、あらかじめ契約条項にうたわれている一定期間内に、売主と住宅建築請負契約を締結することを前提とした土地のことです。
実は「建築条件付き宅地」のトラブルはとても多いのです。最初の充分な確認を怠ると「こんなはずでは…」といった事態になりかねません。売主側からすると、売れるかどうか分からない建売住宅を建築してしまうリスクを避けられ、買主からすると、制約はあるものの、多少なりとも希望の間取を実現できる「建築条件付き宅地」ですが、メリットを活かすには、事前の充分な確認が肝心です。
●建築条件付き宅地とは
「建築条件付き宅地」とは、「A」でお答えしたとおりですが、必要要件は最後のチェックリストを参照ください。特に注意を要するのは以下の事項です。
1)住宅建築請負契約を締結する期限…3ヵ月なのか、1ヵ月なのか。土地と建物を同時に契約する必要はありません。しっかりした設計のもとに住宅建築請負契約ができる充分な期間があることが大切です。
2)住宅建築請負契約不成立の時の解約条件…支払った全ての金銭が、支払い名目のいかんにかかわらず、全額返却されるかどうか。
3)住宅建築請負者…土地の売主なのか、代理人なのか、関連会社なのか。
4)建物の構造・工法や仕様の可能な範囲…木造専門の業者にコンクリートの住宅は建てられません。事前にチェックしましょう。
●主なトラブルとその原因
「建築条件付き宅地」を買われた方が住宅展示場に来場されることが多々あります。プランの参考にしたい場合もありますが、後々のことを考えずに契約したための不満を持って、これからどうしようかと考えて来場するケースも少なくありませんでした。
主な要因を上げてみると…
あせって土地の確保を主眼にした…土地探しをした事がある方はお分かりになると思います。気に入った土地などめったに見つかりません。安くてよい条件の土地は、だれもが目をつけますので、早い者勝ちになります。したがって、先々まで考える時間とゆとりが無い状態で契約してしまうケースです。
業者の対応が不親切、能力が疑問…土地の立地や環境は自分でも確認可能ですし、法的に建築可能な条件が希望に見合えば、土地の売買はビジネスライクに進みます。しかし住まいの設計段階に入ると、相手の状況が見えてきて、不安や不満も膨らんでくるケースです。
希望のプランができない、仕様や設備が自由に選べない…参考プランと仕様・設備を充分に事前に確認しておかないと、「こんなはずでは…」となってしまいます。その業者が安く仕入れやすい設備などは、かなり限定している場合が少なくありません。
●建築条件付き宅地を購入する時の注意点
建物に関しては全くなにも無い段階で、建ててもらうことを約束してしまうわけですので、解約事項の確認は大切です。参考プランと価格の前提となる仕様などをしっかり把握して契約にのぞんでください。「仕様は希望に添います」「自由プランです」と、急がされての契約は禁物です。実績のある信頼できる会社の物件を選ぶこともリスクを少なくする大切なポイントです。

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