
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
上昇傾向にあると言っても住宅ローンの金利は、高度成長期と比較すれば、まだまだ低いレベルにあります。
住まいの取得を考えている方にとって、「もう少し頭金を貯めてから…」「子供の就学に合わせて…」「金利が上がったら、どうしよう…」と非常に悩ましいのが現実でしょう。
住宅ローンの選択では、あとから考えればベストの選択とは言えなくても、「そこそこ、安全なレベルで満足する」範囲内で考えた方が現実的だと思います。そのためには、自分にとっての「安全圏」をしっかり把握することが大切です。
●なぜ悩ましいか
住まいの取得は多大な出費ですので、いろいろ心配なのは当然です。
しかし、逡巡することを突き詰めて考えてみれば、正確に状況が見通せないことにあると思われます。最大の要因は「金利がどのくらい上昇するか」ということではないでしょうか。
ただ、いくら考えてみても社会状況を正確に予測することは不可能です。困難なものに対してあれこれ考えるよりも、確かなものをしっかり固める、つまり自分自身の状況を正確に見通すことで、取るべき方向性が見えてきます。多大な出費だからこそ、正確なデータなしにスタートさせることは、あまりにリスクが大きいことは自明の理でしょう。
●自分自身の状況を把握するにはどうすればよいか
では、自分自身の状況はどのようにすれば、より正確に把握できるのでしょう。
以前も掲載したことがありますが、ライフプランニングシートを作成し、生涯収支を把握することがもっとも現状把握には有効です。エクセルなどを利用して作成してみてください。
最初はライフイベントの想定など、なかなか難しいものですが、一度にできなくても根気良くトライし続ければ、次第に満足の行くものができます。この過程の試行錯誤そのものが、自分自身の把握につながるのです。
また、収入や支出の数値が正確でないと、あっけなく貯蓄がマイナス=つまり家計の破綻という事態になります。少しの違いが、長い年月で思わぬ金額の差になるからです。びっくりせずに、少しずつ正確なものに修正していくと、「あれほどの赤字が、一転大きな黒字に!」となります。
つまり日頃の少しの努力が大きな差になること、努力は若い時からのほうが格段に効果的であることを実感できるところがライフプランシートの良いところです。もちろん家計の苦しい年代も一目瞭然です。若い間であれば、いくらでも事前に準備が可能ですので、若いご夫婦もぜひ作成してみることをおすすめします。
●金利の限界を知る
住宅取得した場合のライフプランシートがしっかり作成できたら、今度は住宅ローンの金利が上昇した場合の返済額に置き換えてシミュレーションしてみましょう。
エクセルであればシートを変えて基本データをコピーし、何通りも試してみます。たとえば、貯金残高を最低300万円とした場合、300万円をどこかで下回る返済額の金利が見えてくるはずです。プロのファイナンシャルプランナーの場合は、収入、支出、貯蓄それぞれの個々の項目ごとに別個の物価上昇率を加味した数値を算出しますが、物価が上がれば給与や貯蓄の利率もある程度上昇するはずですので、最初は上昇率なしで把握してみましょう。
●まとめ
今までもコラムおよび読者の方々からのご質問にお答えする形で、ローンの負担に対するリスクの回避について解説してきました。「金利に対する毎月の返済額の違い」、「固定金利の特徴や変動金利の未収利息について」、「繰り上げ返済やその他のリスクの回避方法」など、過去のコラムもご参照ください。
参照 コラム
「住宅購入時期と価格・金利動向について」
「今後の住宅ローンの金利動向について - その2」
「金利の上昇とローン負担」
「住宅を購入してから、資金不足にならないか不安になります」
「今回は前回の続きで、ライフプランの立て方をご紹介します」

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この一覧は、次のエントリーを参照しています: FPコラム:自分にとっての金利の限界は?:
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