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FPコラム:カビと住まいについて[question]

住まいにおけるカビの発生は、健康に悪影響を及ぼすだけでなく、家の耐久性をも著しく阻害します。

そうしたカビへの対策は、白蟻対策やダニ対策などとも共通する部分があり、大きく分けると2つの対処法があります。第1は建築時の工法や設備、仕様などへの配慮で、第2は日々の暮らしでの工夫です。

●カビの発生条件と対策

カビは生き物ですから、当然空気や栄養を必要とし、温度や湿度にも影響されます。このようなカビの繁殖に必要な条件を取り除くという意味では、カビ対策は換気と通気に尽きます。

最近は、高気密高断熱+換気システムなどを基本的性能とする住宅も浸透してきています。しかし、建物単体としての性能は向上しても、周囲の環境に目を向けた配慮や日々の暮らしの中の工夫がなければ、カビの発生を完全に抑える事は出来ません。

建物の性能ばかりに目が行きがちですが、建物の配置、窓の位置、外構の水はけなど設計上の配慮、そして日頃の工夫の仕方で大きく差が出るものです。

 <カビの発生条件>

  ◆水分がある

  ◆チリやゴミ、アカなどの栄養分がある

 <設計上、配慮したい点>

  ◆地域的環境・気象条件への配慮と対策
   ・断熱、気密のグレードなど (北海道と九州では必要断熱性能が異なる)

  ◆敷地の周囲の条件に配慮した設計
   ・通風、日照を充分確保できる建物配置や形状及び開口部の位置など
   ・水はけに配慮した外構計画

  ◆乾燥した木材の選定

  ◆室内、床下、壁内、天井裏などの換気に配慮した設計と設備

  ◆充分な断熱と防湿
   ・ペアガラスなどの開口部の対策
   ・壁、屋根、床への充分な断熱材と防湿材の使用

  ◆工事中の管理
   ・雨の日の資材や建築中の建物の管理
   ・完成後にゴミ、木屑などを床下などに残留させない
   ・性能維持のための施工精度の確保

 <暮らしの中、工夫したい点>

  ◆充分な換気と通気の工夫
   ・空気が停滞する部分を作らない家具の配置
   ・押入に、すのこ等を利用して通気を促す
   ・晴れた日はふとんを干したり、室内を乾燥させるなどする

  ◆日々の清掃と整頓ですっきりと暮らす
   ・カビが発生しやすい家具の隙間などに注意
   ・無駄なものを処分してすっきりとした室内にしておく
   ・掃除をこまめに行い、カビのえさとなるものを残さない

  ◆水分や水蒸気の管理
   ・調理時、入浴時の換気を心掛ける
   ・加湿器や、水蒸気が発生するガス暖房機などの適切な使用
   ・結露水をこまめに抜き取り、入浴後の浴室の乾燥を心掛ける
   ・室内に洗濯物を干さない

●事例:赤外線によるカビの検知

2年ほど前に、住宅供給公社の分譲住宅にて水漏れ調査を行った事があります。原因不明の水漏れを、赤外線で調査・追及していくものです。

目に見えない部分の水分を検出するのですが、目に見えるカビの発生状態も重要なチェックポイントとなります。原則、各住戸同じ間取りで環境的条件も同じです。

しかし、住戸の使い方次第でカビの発生状況は大きく違っていました。住民への聞き取り調査からも、換気の工夫がカビの発生状況に影響している事が分かりました。昔の設計なので、充分な換気を行えない部分もありましたが、カビの発生を抑えるには、暮らしの中で工夫しながら換気する事が有効な対策といえます。


赤外線によるカビの検知

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