MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

FPコラム:どう考える?住宅の資産価値[question]

住まいに対する考え方は人それぞれで、その中で家族が幸せに人生を全うできたら、一般的な評価はどうあれ、それだけでその住宅の価値は大きかったと言えるのではないかと思います。

しかしそれは結果であって、人生の設計図を立てることは簡単ではありませんし、設計図通りに運べる幸せな人はそう多くはないでしょう。

誰も、その時々に精一杯考えて、修正しながら生きていくのではないでしょうか。住まいは大きな資産です。先々を正確に見通せない以上、資産価値の高い住まいを取得し、リスクの軽減をはかることは大切です。

●土地の評価

一物四価…土地は「一物四価」と言われ、4つの価格があると言われます。バブル崩壊時は、逆転現象もみられたようですが、一般的に最も高いのがAの実勢価格で、順に価格が低くなります(下表参照)。評価割合は公示価格を1とすると、およそ路線価はその80%、固定資産税評価額は70%となります。

土地を多く所有していて、相続税対策が必要な場合は、路線価による詳細の評価額の算出や土地の有効利用などの対策が必要となります。路線価はインターネットで閲覧でき、どのような土地が高評価なのか、丹念に検証すると見えてくるものがあります。実際の取引価格もインターネットで検索できますので、近隣の土地の価格と路線価等を照合すれば、自分の土地や購入予定の土地の妥当な価格を推測する一助にもなります。

一物四価

市場性…相続対策などで、路線価を元にその土地の評価を計算する時は、土地の広さ・形状(不整形地・間口が狭い・斜面など)様々な補正を行います。市場性も同様で間口が広く、矩形の平らな広い土地の評価が高くなります。その他、利便性、道路条件、建築基準法上の規制などで市場価値が決まります。

より広い面積の建物を建てることができ、土地や建物に多くのニーズがあることが、市場価値を高めます。閑静で緑あふれる土地を自分では気に入っていたとしても、駅から遠いなどの利便性上の条件が悪ければ、市場価値が低くなります。冒頭に書いたように、家族が満足して生涯を過ごせれば、またとない土地でしょうが、仕事の都合や万一の場合など、状況の変化があった場合、貸したり売却したりするのに不利となります。

土地と災害…地震・水害・土砂崩れ・沈下などの自然災害だけでなく、最近は土壌汚染にも注意が必要です。工事用跡地などは要注意で、土地の過去の利用履歴も確認しましょう。

●建物の価値

耐久性・耐用年数…ヨーロッパの都市のアパートメントには数百年前に建てられたものもあります。地震のない土地の、石造りの住まいは、大切に維持管理されながら、長期にわたって住み続けられます。オーナーにとっては、収益を上げ続ける資産となります。

地震国の日本では数百年と言うわけにはいきませんが、「耐用年数が長い」ことが、資産価値を高める最も重要なポイントです。日本の中古の不動産流通市場は、いまだ成熟していません。中古になれば、実際の価値以上に価格が下がってしまうのが現状ですが、良質な住まいの供給と維持管理が行き届けば、次第に変化していくと思います。地球環境保全の意味からも、政策的に優良中古不動産の価値に対する認識を変えていく必要に迫られてもいます。

市場性…「デザイナーズマンション」の人気が高いように、建物としてのデザイン面が資産価値を高めていく基盤ができつつあります。「メンテナンスが容易な構造」「設備が時代のニーズに合っている」「使いやすい間取り」「デザインが良く、年数が経つにつれて味わい深くなる」など、一過性でない性能が資産価値に大きく影響すると言えるでしょう。


ニーズの多様化だけでなく、中古流通市場が成熟していけば、資産価値の判断も多岐にわたります。個々に必要なのは、「長く資産価値を保つことができる”本物”を見分ける力」と「個々の判断項目を確実にチェックしていくエネルギー=自己責任」に尽きると言えます。

医療のセカンドオピニオンはいまや常識となりました。大きな資産である不動産についても、判断を助けるコンサルタントに気軽に相談できる環境が育つと良いと思います。

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