MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

ライフプランニング 総集編4 ―ライフプランニングシートの活用[question]

前回も書きましたが、ライフプランニングシートは「一度作れば、それでおしまい」というものではありません。今回は、ライフプランニングシートをどのように活用して、自分自身の人生設計をより良いものにしていくかについて、まとめてみます。


●ライフプランニングシートを作ってみてはじめて気がつくこと

実際に作ってみてはじめて気がつくことが多いので、何はともあれ実際に作ってみないことにははじまりません。総集編3で詳しく述べましたが、大切なことはデータの正確さです。数十年先など正確であるはずがないのですが、公的機関や各業界の協会などが発表しているデータを駆使して、現時点での最善と思われる数値を入れます。平均より上の暮らしや教育を望むのであれば、平均値を参考に加減します。

ただし最終的に、現時点での最適な数値に置き換えればよいので、実際の生活の感覚をベースに、とりあえず数値を入れて作成してみるとよいでしょう。結果、正確さが大切なことに気づくはずです。一流企業のサラリーマン対象の社員研修などで、ライフプランニングシートを作らせてみると、最初は生涯収支が大赤字になることは珍しくありません。

なぜそのような状態になるかといえば、数値が正確でないからです。一様に「収入は抑え目に、支出は多めに」と安全サイドに意識が働き、少しの違いが長い年数で思わぬ金額となるからです。ほんの少し収入や支出を正しく是正すると、数値はたちまち変化し、大赤字が不思議なくらい簡単に黒字化します。

「ほんの少しの努力が、長い目で見れば、驚くほど大きな差になる…つまり、同じ収入でも勝ち組と負け組に分かれる可能性があること…従って日々のコントロールが大切なことが分かるのが、ライフプランニングシートを作る大きな意味の1つなのです。


●ライフプランニングシートを読み取る

上記の作業の結果、不十分ながら一定のレベルのライフプランニングシートが作成できたとします。次に詳しく観察していきます。前回の復習の意味も含めて、まとめておきます。

全体を見る
全体を通じて貯蓄残高がマイナス(=家計の倒産)または、その時点で最低残しておくべき金額を下回る部分があるかどうかチェックします。その部分が収支面の人生設計の弱点です。

弱点を修正
弱点のカバー方法を考えます。弱点の修正方法は、「1.収入を増やす」「2.支出を減らす」「3.保険などで補完」しかありません。まずは重要でない支出の削減や、日々の無駄の見直しなどを手始めに試行錯誤していきます。また、計画に無理や矛盾がある場合は「4.計画そのものを見直」します。「教育資金」「住宅取得資金」「老後の生活資金」などについて、1つ1つ確認していきます。

不足の事態を想定
働き手の死亡や高度障害、リストラなど重大なリスクの対処方法(必要保険金額など)を探る為に、いろいろなケースを想定したライフプランニングシートも作成します。今現在、サラリーマンの夫が死亡するリスクを例に考えてみます。シートに転写(前回の図を参照)したベースのライフプランニングシートをもとに、万一の場合の数値に変更していきます。

・以後の夫の収入を全て削減します。
・その後の生活費について、夫の分を削減します。その他、夫に由来するイベント費を削減します。
・死亡時の一時金として「死亡退職金」「死亡保険金」などを追加します
・その後の収入として、「遺族厚生年金」「遺族基礎年金」「妻の収入」などを追加します。

数値の変更後に、妻と子どもの生活が維持できれば、現在の保険金額は充分といえます。老後の妻の生活費を確保しても余裕がある場合は、その保険金は掛け過ぎとなります。


●グラフで確認する

ベースとなるライフプランニングシートを作成したら、生涯収支をグラフにしてみましょう。支出をほんの少し変えたり、収入をほんの少し増減したりして、老後の貯金額の変化を見てください。少々の違いが、年数を経て大きな違いになることを確認してみると、「入力数値の正確さが大切」「ライフプランの大切さ」「貯蓄の重要性」「安全な預貯金ばかりでなく、投資も大切」など様々なことが実感できます。日々の暮らしについても、無駄は必然と少なくなり、より健全な生活へと改善されていくでしょう。

現状の生涯収支


現状の生涯収支…特に大きなイベントの費用は計上していませんので、預貯金は増加する一方です。

住まいを取得


住まいを取得…頭金を拠出した為、支出がその年とび抜けて多くなっているのが分かります。そして数年の内に、貯蓄がマイナスになって家計が破綻しています。多少、分かりやすくする為に誇張はしていますが、全く極端な設定でもありません。

改善後


改善後…住まいを取得し、「保険の見直し」「車の買い換えサイクルを5年~7年に」などの改善策を講じた後の結果です。あまり極端な操作はしていませんが、預貯金残高は常にプラスに改善し、老後の資金もあります。妻は専業主婦の設定ですので、就労すると、よりリスクは少なくなります。


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