MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

住まいの購入後 総集編2 ―メンテナンスとリフォーム[question]

前回の「健康に暮らすには」で、それが実は購入後の問題ではなく、購入前に知っておく必要のあることであると強調しました。今回も同様の視点で読み取ってください。

●長持ちする家

日本の住宅の耐用年数は諸外国に比較して非常に短く、地球環境保護の観点から問題視されてきました。現在は100年住宅というキャッチフレーズも見かけますが、個人のライフサイクルの観点から考えても、多大な投資をして建設した住まいを自分の世代で使い捨ててしまっては、次世代は再び多大な投資を余儀なくされます。

住まいが次世代、3世代へと引き継がれていったらどうでしょう。孫まで充分に使って、孫の代で、ひ孫と共同で再び100年使える住まいを建てるようにすると、住まいへの投資負担を軽減された世代は、教育や豊かな生活、充分な老後の資金の準備などへ資金を振り分けられます。これからの時代は使い捨てていられる時代ではないでしょう。そのためには、構造のしっかりした長持ちする住まいであることと、日頃の手入れが重要です。


●住まいのメンテナンス

日々の換気や結露の防止は住まいの寿命に大きく影響するだけでなく、人間の健康面においても大切なことです。清掃のほかに家具の配置や間取り、収納方法などにも左右されます。完成の際に「お手入れマニュアル」を手渡される場合もあるので、基本はマニュアルを参考に手入れをしてください。

無い場合は、設計士や工事担当者に詳しく確認しておきましょう。ここでは、工事を伴うものについて述べておきます。簡単に考えがちですが、メンテナンス工事は緻密な知識を必要とします。参考にいくつか例を挙げておきます。


◇塗装工事…

瓦屋根や特殊な鋼板など、原則メンテナンス不要の屋根材もありますが、程度の差はあれ、外壁や屋根は性能維持のために定期的な再塗装を必要とするものがほとんどです。例えばセメント板の屋根を再塗装する場合、瓦状に段々になっている部分をそのまま塗装しただけでは、かえって防水性能を損なう場合があります。

段のところは塗装だけでつながっているので、ピンホールの亀裂が生じます。そこから毛細管現象で雨が内部まで侵入することがあります。従って、再塗装後は1段1段カッターで縁を切る必要があります。塗装は防水材ではありません。屋根材の表面を劣化から守り、美観を整えるものです。それぞれ材料によってメンテナンスの方法は決まっています。材料と工法、基本的な設計知識がないと、折角のメンテナンス工事が意味の無いものになりかねません。


◇防蟻処理…

当初、どのような防蟻処理が採用されているかによって、メンテナンスは全く違うものになります。建物の保証条件の設定内容にもよります。仮に薬剤散布のケースを考えると、一定時期に再散布となりますが、一定の安全基準を満たしてはいても殺虫剤ですから、既に居住しているだけに慎重な対応が大切です。


◇塗料や接着剤…

当初の性能以上のモノを選別しなければ意味がありません。新しい製品も次々出てきますので、簡単には行きません。既存の材料と異なる場合は、化学的・物理的な相性のチェックも必要です。

性能維持だけを考えても、メンテナンスは当初と同じエネルギーを必要とします。建売を買われた方は、初めて住まいをつくり上げる経験となり、勉強も必要です。簡単に考えてはいけません。


●構造と工法を把握

コンクリート造や鉄骨造の筋交いや耐力壁を撤去する場合は、当然構造計算の再計算が必要です。木造の場合でもいろいろな工法があり、住宅メーカーによっては独自の工法で認定を受けている場合があります。

これらの工法を熟知せずに間取りの変更することは、建物の性能を大きく損ねる危険を伴います。新築と違って、簡単に考えがちですが、リフォームは新築以上に技術力が要求されますので、設計事務所や業者の選定には充分注意してください。また、間取りを変更すると確認申請が必要な場合もあります。

つまり購入時には、将来のリフォームなども見据えて考えなくてはなりません。


●リフォームは、まず耐震性能の向上から

リフォームはどうしても部屋を広くしたりして、壁や柱の量が不足する傾向にあります。阪神淡路大震災の際に、隣り合わせの、当初全く同じ間取り、同じ業者、同時期に建てられた建売住宅が、その後のリフォームの違いによって、一方は「大破」、他方は「補修により利用可能な状態」に分かれたケースが報告されています。壁や柱を動かさないケースであっても、リフォームの時は我が家の耐震性能をチェックするよい機会です。自治体などで耐震化のための補助を制度化しているところもありますので、調べてみましょう。


●記録の保存

◇新築時の図書や記録の保存…

建物を建てるのに必要な全ての設計図書・認定図書・計算書・工事中の写真を入手して、保管しておいてください。リフォームの際に役立ちます。また売買の際に、これらがないと不利になります。

◇リフォーム時の記録の保存…

間取りや設備を変更した場合は、工事写真や図面をしっかり残しておきましょう。ボード類を撤去した時は、骨組みが見えた状態の写真も出来るだけ残しておきます。万一問題が発生した時や、次のリフォーム、売却の時などに役立ちます。材料の一般名・商品名・メーカー名・品番・性能等級などの一覧も作成してもらって保管しておきます。

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