MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

佐藤 章子(さとう あきこ):
コンサルタントオフィス ハウステージ 代表。 CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。

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住まいの購入後 総集編4―ローンと家計の管理[question]

もはや、収入が右肩上がりになっていくことをあてにしてローンを借りる方は少ないと思いますが、収入面では安全を考えてローンを組んだとしても、社会の大きな変化に対応できる力を養っておかないとあわてることになります。

生命保険の定期特約は、一般的には10年程度で更新します。更新時には年齢が高くなっていますので、保険料はその分上がります。分かっているはずなのですが、この時にあわてて相談に来る方も少なくありません。

住まいは大きな保険として働く側面もありますが、今後の人生の中でどのようなリスクが発生する可能性があるのか、常に把握して、あらかじめ対策を考えておくことが肝要です。対策や準備は早いほど楽で効果的ですので、ローンを組んだ後の家計の管理を考えてみましょう。


●破綻を呼び込む要素

ある一流企業の部長の転落人生、という内容の記事を目にしたことがあります。一流企業の出世コースに乗り、念願の戸建マイホームを郊外に手に入れて順風満帆のはずが、業績の不振で給与が下がったことをきっかけとして、ついにマイホームを手放して会社も退職し、最悪の事態に陥った内容だったと記憶しています。

給与が下がったといっても、一般から見れば恵まれた金額だったはずです。しかしこの時、生活を見直さなかったのです。生活の質を落とすことはプライドが許さず、子どもの教育にはふんだんにお金を掛け続けました。さらに11年目の公庫の金利上昇、高校・大学進学のための学費、マイホーム価格の下落(売れない・売れてもローンを返せない)など、次々に家計にとってリスクとなる事態が押し寄せてきたのです。

しかし、最悪の状況になる前に、いくらでも事態を改善する方法はあったのです。事態を早めに正確に把握し、適切な支出管理を行えば何のことも無かったはずが、目先の対処方法だけで切り抜けようとして、手に余るようになってしまったケースです。

◇金利の上昇…

以前は住宅ローン=長期の固定金利でしたが、低水準の変動金利には魅力があり、変動金利で設定しているケースも多くなっていると思います。金利は「上昇時の勢いは早く」、「下降時はゆっくり」という特徴があります。自分の許容金利の上限を把握し、金利が上昇し始めたら速やかに固定金利に借り替えるなど、対策が必要です。繰り上げ返済もリスク軽減には有効です。

◇リストラ・賃金カット…

もはや誰にでも起こりうる状況です。どんな状況でも生きていけるようにスキルUPするしかありません。夫も妻も子どもも…。親が大学の学費まで出すのは、日本の他、わずかの国しかありません。自力で大学に行ける力をつけさせた方が、これからの時代をたくましく生きていく子どもになるようにも思います。

◇教育費の高騰…

世の中がインフレに転じた時に、一般に教育費の上昇の度合いは高いといわれています。少し余裕を見た計画を組んでおきましょう。

◇不動産の下落…

バブルが崩壊した時に、不動産価格がローンの残債より下がってしまったケースが多く見られました。日本の不動産価格は中古の場合、新築と比較して極端に価格が下がってしまう問題もあります。値下がりしないマンションであることが、リスク管理には最重要ですが、売却や賃貸にした時の見込み価格を把握しておきましょう。

◇家族の病気やケガ…

全く予測はつきませんので、適切な保険で対応する分野です。常に過不足が無いか、生涯収支と照らし合わせて把握しておきましょう。

◇インフレ…

ローンは助かりますが、金融資産の運用先には注意が必要です。若い世代ほど、安全性だけでなく収益性もバランスよく考えていく必要があります。


●家計の検証

◇日々の生活費の見直し…

日常はそれほどリスキーな事態に陥るわけではありませんので、つい油断しがちです。家計簿をつけて、毎年生涯収支表(ライフプランニングシート)を見直すような几帳面な方ばかりではないでしょう。

こんな時、「第1週間集中チェック」を薦めています。1週間だけ家計簿をつけます。面倒な分類は不要で、「必要だった」「不要だった」「なんともいえない」の3分類だけです。「必要だった」は支出として妥当と思うもの、「不要だった」は買わなくてもよかったもの、「なんともいえない」は、よく質問があるので、項目を設けています。

たとえば、働いている主婦がマッサージを受けた費用は、「贅沢で、無くてもよかった」ともいえますが、次の日からもバリバリ働ければプラスであるかも知れません。こうした境目は、即判断ができない場合があります。但し、「なんともいえない」項目だけを後で眺めると、次第に結論づけられていきます。日々の無駄を時々実感するのに、第1週間家計簿は役に立ちます。

◇年間支出の見直し…

大きな買い物が多いので慎重になると思いますが、これも暮れに検証してみると、無駄も見えてくるでしょう。

◇不用品のリサイクル…

我が家の近くに不用品持込販売ショップがあります。売りたいものがある人は、一定期間陳列棚の権利を買います。この棚に、家にある不用品や趣味の手作り品を並べて売るのです。アクセサリーや子どものおもちゃ・衣類などが中心のようですが、月に10数万円も稼ぐ主婦がいるそうです。店番は不要なので手間要らずですし、不用品が何かしら利益を生みます。フリーマーケットを活用するのもよいでしょう。


最近も、高給をもらっていた時の生活水準をどうしても落とせないケースの相談を受けました。そろそろ老後の準備も必要な年齢ながら、「住まいを所有していない」「貯金が少ない」「年金を充分にかけていない」「老後も田舎暮らしなどは望まない」という状況でした。

現状のままで推移した時の老後のイメージを明確にし、本人が今持っている「比較的高給が得られる」「元気であれば、技術があるので老後も働けて、一定の収入も期待できる」などの強みを認識してもらい、短期集中で、問題の少なくとも1つ(預貯金額の大幅UP、住まいの取得など)を改善する計画としました。

人間は長期間緊張し続けられません。日々コツコツと努力することは大切ですが、危機感を持った時をチャンスと考えて、短期集中方式を意外と有効に活用することもできます。家計チェックで「不要であった」金額分を貯金に回し、旅行や大型消費財の購入を控えることを3年間続けるだけでも、かなりの金額になるでしょう。教育費、ローンの繰り上げ返済、老後の資金などに充当すると、万一の場合のリスクは大幅に削減できるはずです。

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