MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

住まいの購入後 総集編6―インテリアとエクステリア[question]

「住まいの購入後」の最終回は、インテリアとエクステリアについてです。単に屋内外の空間を豊かにするだけでなく、省エネ効果や空気環境を整える効果もあります。
インテリアやエクステリアは、建物をデザインした後で考えるものではありません。設計の初めの段階から建物と一緒に総合的にデザインするものであり、かつそのコンセプトと性能の維持は住み手に大きくゆだねられている部分なのです。

●エクステリア

エクステリアの役割は、建物の機能を補完し、さらに豊かにすることです。どんな立派な建物でも、緑がなければ潤いを感じません。反対にどんな簡素な建物でも、緑に包まれていると豊かな心持ちになります。同時に自分の家のみならず周辺から豊かさをもらい、またそれをお裾分けすることによって、成熟した環境と地域社会が作られるのです。

◇環境を豊かにする…

殺風景な分譲地もやがて木々が育ち、豊かな住宅地へと成熟していきます。コンクリートブロックなどの無機質な塀の連続は、豊かな街を育てません。それは地域社会の形成にも大きく影響していきます。
大きなシンボルツリーはぜひ1本は欲しいものです。余裕がなければ隣家と共同で、敷地境界線上に配置しても良いでしょう。「桜が楽しめる家」「もみじが楽しめる家」「果実がなる家」など、1軒だけでは無理でも、近隣地域で四季折々の楽しみを見出せるような努力をそれぞれが行うことにより、豊かな居住環境と地域社会が育成されます。
マンションでも同じです。業者に任せると、毎年決まった時期に「剪定」と称して、一様に丸坊主にされてしまいがちですが、「こんもりと枝を広げるところ」「きれいに切りそろえるところ」など環境に合わせて、住民がエクステリアのイメージを持っていることが大切です。

◇防災・防犯…

密集した生垣は、火災の際に類焼時間を遅らせることができ、また棘のあるツル性の生垣などは防犯に役立ちます。見通しが利き、かつプライバシーを保ち、侵入しにくいように配慮するなど、外構計画はとても大切です。前回、安全面について外回りのチェックの大切さを記述しましたが、防災・防犯上の問題点についても、自分が侵入するつもりになって、建物の周囲を丹念に確認してください。

◇日差しの調節…

深い庇や縁側は、日本の気候とうまくつきあうための装置ですが、庇がなくても、落葉樹木を植えれば、夏は日差しをさえぎり、冬は葉を落として日光を室内に届けてくれます。さらに、地被類は夏場の気温の上昇を抑えてくれます。真夏の晴天時、芝生と人工芝の葉先の温度差は20℃もあるそうです。夏の庭先で気温を下げるのに最も効果のある方法は、大きな木を植えることです。冬には葉を落とす藤棚やぶどう棚は、花や実も楽しめ一挙両得です。スペースに余裕がない場合は、オープンカフェに使われているような庇などを工夫しても良いでしょう。昔の日本の家屋写真に、季節ごとの工夫を見出すことができます。


●インテリア

住まいは人生の舞台ともいえます。新居に入居後、住まいをどう使って、どう人生を演じるかは住み手次第です。快適に暮らすには、物が不用意に室内に溢れていては台無しですから、物が増えないように注意を払いましょう。特に季節物や常時使わない物は、保管場所を確保してから購入するようにします。インテリアは自分を表現する場であると同時に、省エネや健康などを左右する大切な機能を持っています。建物にもともと備わっている性能以上に、住み手の維持管理に負う部分が大きいともいえます。

◇日差しの調節…

サッシには、レースのカーテンと厚手のドレープカーテンが定番のようですが、住まいを訪問すると、本当に機能をよく考えて選択しているか疑問を感じるケースが少なからずあります。例えばレースカーテンの場合、

日差しの調節⇒冬場は室内に日光を入れたいのか否か。
          夏場は、サッシを閉めて生活するのか。
          サッシを開けると、風に揺られてあまり機能しないこともあります。
プライバシーの確保⇒必要性は本当にあるか、カーテンを引いておくのがベストか…

断熱効果の高い住まいだからといって、あらかじめ設置された換気装置とエアコンに頼って、年中サッシとレースのカーテンを締め切りにした生活が、果たして本当に快適かどうか疑問です。日本人は季節の音や匂い、風などを敏感に感じながら暮らしてきたのです。
夏の日差しを調整するのに簾を使うなど、で調節できるほか、さまざまなスタイルを生かしたいものです。

◇断熱効果…

厚手のカーテン類は、壁の部分と比較して断熱効果の低いガラス部分の性能を高めてくれます。ただし、狭い室内で柄物のドレープカーテンが大きな面積を占めると、かなり圧迫感があります。雨戸がある場合は、ドレープカーテンは寄せたままで、レースカーテンのみ使っている家が多数あります。色あせた状態で両脇に寄せられたままであるのなら、必要性を再検討してみましょう。本当にカーテンのドレープの美しさをインテリアとして楽しむのなら、全ての季節を経過した後で、布の伸びを調整するために縫い直すのが正式なやり方です。手間も費用もかかり、何よりも日々室内を美しく保つためのエネルギーが要求されます。

◇空気の調節…

枕元に小さな鉢植えがあるだけで、空気の質が変わるそうです。グリーンや家具の配置、収納内の通気など、空気の調節はインテリアにおいてとても大切です。健康面はもちろん、感覚的にも「ゆったりとした空気が流れている」と感じられれば、物がそれぞれにふさわしいところに配置されているということですから、インテリアとして成功している場合が多いのです。

短い紙面で、インテリアとエクステリアを述べるのは難しいですが、「機能・性能は住み手にゆだねられているところが大きい」「デザインや美観だけでなく、機能に目をやる」ということをここで確認できればと思います。門があって、塀があって、室内はソファーセットとダイニングセット、窓にはダブルのカーテン…そうした定番アイテムに縛られずに、その機能と必要性を見直してみると、インテリアやエクステリアを上手に生かし、維持していけるように思います。ポイントはできるだけ簡素に、物や要素を少なくする方向で考えることです。なぜ必要か。それがなくても同じ機能を持たせられるものはないか。1つの物で複数の機能を持たせられないか。プラスしていくのではなく、そぎ落として考えていく方が成功する確率が高いように思います。

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