
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
前回、「インターネットで家探し」を掲載しましたが、「多くの情報の中から自分にフィットするものを見つけ出す」「多くの情報に接し、判断力を養う」点に関しては、どのような対象に対してもインターネットが持つ共通のメリットです。保険に関しても同じことが言えますので、その点に関しては省略し、今回は保険特有の問題について追求してみます。
●保険とインターネットと自己責任
かなり以前ですが、家電量販店の販売戦略として、「基本的に商品説明を行わない代わりに価格をどこよりも安くする」方式の店舗がTVで紹介されたことがありました。店員の数も少なくて済み、数多くある商品の仕様を把握する為の教育も必要ありません。顧客は別のところで、商品の知識を仕入れ、メーカーと品番が決まった段階で最も安いその店で購入することになります。インターネット取引は、この方法に似ています。
保険には一括検索や一括見積などの便利なツールがあり、バブル崩壊以降の保険の見直しブームから、インターネット取引は人気があります。ですが、かなり自己責任が問われることを頭においておくべきです。
保険金の不払いが問題になっていることからも分かるように、特に損害保険の特徴としてあげられるのは、商品はひとつでも、事故の状況の違いは事故の数だけある、という点です。
●損害保険の「保険」の意味
◇自分にとってのNo.1保険とは…保険会社は、自社の優位点などを「○○No.1」などと、表示しています。しかし、万人にとってNo.1でも、自分にとってNo.1であるか確認することが大切です。
◇自分にとってのリスクとは…運転技術の未熟な人、毎日長時間運転する人、それぞれリスクの種類と程度はさまざまです。私は住宅の営業をしていたことがありますが、顧客に合わせて山の中の家へ出向いたり、夜間の折衝もありました。ですので、そのエリアのロードサービスの充実は重要なポイントでした。本当に万一のリスクを回避し、自分にフィットした保険を選ぶには、自分でも調査が必要です。
◇事故処理…保険は万一の場合のリスク回避の手段です。万一の時に最大限有効に効果がなくては意味がありません。自動車事故を例にしてみると、事故を起した場合、どんなに冷静な人でも少なからず動揺し、事故の正確な状況判断ができないそうです。この状態で、自分で事故処理の書類を正確に作成しなければなりません。
●代理店のメリット
個々に異なる事故の状況をどう把握して、どう有利に処理していくかは、大いに大切なポイントです。書類の書き方、表現の適切さも大切な事柄になります。インターネットによる契約は全て、原則これらを自分でこなさなくてはなりません。書き方の不備で、本来もらえるはずの正当な保険金が不利になるケースも考えられます。
正確に状況を記載するノウハウが重要になり、この点に代理店の存在価値があります。従って経験の長い代理店の方が安心と言えます。長く続けていれば事故処理の経験も豊富にあるはずで、それこそ万一の時に心強い存在となります。
保険は万一の時のための備えです。「万一の時」への想像力を働かせて、どのような保険が自分にとってベストであるか充分に考え、自分でも調査し、本当に役立つ保険を選び取ることが大切です。
同時に、インターネットでの取引は低価格ですが、自己責任の範囲が広いことに対するリスクも考えに入れておくべきです。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.interblog.jp/bizmt/mt-tb.cgi/491