MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

2007年問題-住まいの活用[question]

今回のシリーズは2007年問題を広く考えて、「働き手が大量に退職する」「会社の中のノウハウが失われる」といった社会の中の「負」の部分ではなく、社会や個人の暮らしの中、「団塊世代」の圧倒的なボリュームで、新しい文化を形成する可能性に注目しています。60歳からの働き方、生きがい、暮らしの中で、「住まい」は大きな要素を占めています。老後の暮らしの中、住まいは今後どのような位置を期待されるのでしょうか。

●住まいは最大の財産

なぜ住まいが大きな要素を占めるのか。一つは住まいが多くの日本人にとって大きな資産だからです。もちろん生活に大切な「衣食住」のひとつでもあります。これから購入や建築する場合は、単に暮らすためだけでなく、資産として長く活用することも含めて考えることが大切です。今の建物はマンションも戸建も、他の消費財と同様、耐用年数は長くなると思われます。長期にわたる暮らしの変化に対応できる大切な資産であるべきです。

資産として活用するということは、大きくは下記の3つの要素になります。売却したり、賃貸物件とする場合は、立地条件や維持管理が大切です。特に最近は耐震性能偽造事件以来、建物の構造に対する意識が高まっています。就職する時、自分をアピールする履歴書同様、新築やリフォーム・メンテナンス時の図書・計算書・仕様書(見積書や工事内容が分かるもの)・工事中の写真などは住まいの大切な履歴書です。きちんと記録を残しておきましょう。

・売却して、老後の新たな住まいの入手や生活の資金とする
・貸して家賃収入を得る
・住み続けて生かす


●子供は早々に独立を

今は子供が巣立った後も、「子供が帰ってきたときのため」「孫と一緒に泊まれるように」などと、子供達の部屋や客間はそのままにしておく事が、多いと思います。本や、作品、衣類など倉庫代わりに親元に置いているのではないでしょうか。片付けたとしても、せいぜい夫の書斎や夫婦それぞれの部屋に分けたりするくらいでしょうか。しかし、これで資産として充分に活用しているとは言えません。そうでなくても、年を取ると部屋は片付かなくなります。捨てられない上に、片付けも億劫になります。その上に独立した子供のための物置代わりではたまりません。結果、物があふれて不衛生で危険でもあります。子供が巣立った後は、自分達のための活用を考えるべきです。特にまだ若い世代にとって、最大の資産を老後も活用することは重要です。購入当初から、いろいろ使いまわすことを考えておきましょう。同時に子供を早々に独立させる必要があります。つまり子供が小さい時から、そのように教育することが大切なのです。

●良好な中古市場の形成

住まいが大きな要素を占める、もう1つの注目点として「団塊世代」が、新たな中古市場を形成していく可能性に注目したいと思います。日本の戸建住宅の耐用年数はきわめて短かく、また日本人特有の地域密接的な気風のために、今まで良質の中古住宅市場が成熟しませんでした。しかし、団塊の世代が多様な住み方にチャレンジし、新しい老後の「住まい文化」を形成すれば中古住宅市場の活性化が期待できます。また売却や賃貸として活用するには、しっかりした構造であることや維持管理の質が問われ、そのことが良質の建物を生み出し、建物を長持ちさせ、さらに流通が活発化するという好循環が生まれると理想的です。

◇シニア世代の新しい住まい方…逆に考えれば現在の住まいを貸したり売却したりして運用するには、自分達の新しい暮らし方の存在が必要です。海外生活・田舎暮らし・Uターン・Iターン・都心のマンションでの便利なコンパクト生活・高齢者施設・コレクティブハウスなど、老後も豊かに積極的に多彩な暮らし方をしていくことが、今後の社会全体を豊かにする重要な要素と思っています。
◇住み続けて活用…起業やSOHOとして活用したり、アパート併用に建替、またはリフォーム・賄い付きの下宿など、現在の住まいに複数の機能を持たせて住み続ける方法も考えられます。高齢者向けのアパートを建設する為の支援をしている自治体もあります。住まいが老朽化している場合は、集合住宅に建替えて、その一室をコンパクトで機能的なバリアフリー仕様として、自分達が入居する方法も考えられます。


●参考

売却したり、貸したりせず、現在居住している自己所有の不動産に、将来にわたって住み続ける場合は、その不動産を担保として生活資金を貸し付ける長期生活支援資金制度があります。東京都の場合は、地区の社会福祉協議会で取扱っています。

◇主な貸付対象
・借入者が単独で所有している不動産に居住している
・区分所有不動産でないこと(マンションは対象外)
・世帯構成員が65歳以上で妻または夫婦の親以外の同居人がいないこと
・区市町村税非課税程度の低所得
◇主な貸付内容
・月額30万円以内
・貸付限度額は担保となる土地の評価額の70%以内

上記のようにマンションは適用外なので、その点では戸建物件に利があります。マンションを将来生活資金として活用するには、「田舎に帰る」「高齢者施設に入居する」などの老後の生活設計がある上で、立地の良い物件の選定が必要です。

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