
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
中国などアジア諸国への投資が関心を集め、時々相談業務の際にアジア関連の諸国への投資について質問されます。質問される方の多くは投資ビギナーです。セミナーや雑誌の特集などの知識から、収益に魅力を感じている方々ですね。投資に慣れている方は証券会社などへ直接出向き、徹底的に情報収集する傾向にあるのとは対照的です。このコーナーは不動産関連のサイトですので、投資ビギナーにありがちな問題点も含めて、健全な投資について考えてみます。
◇◇◇ ビギナーズコーナー ◇◇◇
●まず貯蓄から始まる+分散投資
投資は博打ではありません。これから資産を形成しようとスタートラインに立った方は、まず万一のための最低限の貯蓄をいつでも換金できる資金として確保しましょう。その次の段階は目的別に資産形成を考えます。
1.万一のための貯蓄の補強
2.使う予定のある(住宅購入費・教育費・耐久消費財購入費等)資金の確保
3.老後資金とゆとり資金の確保
と分けて考えます。投資には元手が必要で、貯金ができない方は当然投資には向いていません。まず貯蓄ありきです。
●自分の投資可能範囲を知る
上記の3のように、必要とするまでの年数が長い資金は、株などの投資に向いています。長期の運用になるほど一般にリスクを回避できますし、物価の上昇によるリスクを回避するためには、ある程度のリターンが期待できるものへの分散投資も重要です。ゆとりの資金や長く運用できる資金の中から、自分が受け入れることのできる許容リスクを考慮に入れながら、株などのリターンを期待できる商品に振り分けていきます。
●まずは手軽な投資信託から
投資信託は直接投資する株式などと比較して、コスト高になるケースが多いですが、小口で購入できますので、資金が貯まり次第、いくつか分散投資しながら勉強していくのも良いと思います。アジアの株式を組み込んだ 商品もあり、コストには「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」があります(税金を除く)。手数料や信託報酬が必要のない銘柄もありますし、額も金融機関によって様々です。
◇◇◇ 外国株の購入 ◇◇◇
●外国人が保有できるアジア株
アジア諸国の株は、どのような株でも自在に買えるわけではありません。通常、外国人が取得できる枠が決まっています。例えば中国の場合で考えてみましょう。中国の株は人民元建てのA株と、ドル建てのB株があります(香港ドル建てのH株もあります)。外国人が保有できるB株は全体の5%程度に過ぎません。アジア諸国は外貨獲得のために、外国からの投資の窓口は確保したいところですが、まだまだ幅広く銘柄を選択するまでには至りません。
●アジア株の購入方法
・アジアの株式を扱う証券会社で購入…証券会社にはそれぞれ特徴があります。アジア株を多く扱っている証券会社もありますし、表向き商品として掲示していなくても、扱える証券会社もありますので、身近な証券会社に相談してみてください。
・東証上場株式を購入…但しアジア関連は数社しかありません。
・ADR(米国預託証券)に投資…投資したい企業がある国に口座を開設するのは至難の業で、開設できない場合もあります。投資したい企業のADRが発行されていればドル建てで購入できます。日本でADRを扱っている証券会社もありますので、一般アジア株の購入と同様に、身近な証券会社に相談してみてください。但し、自分で詳細に情報を収集する場合は、英語力が必要です。
●BRICs+N-11
投資信託と違って、株には一定の資金が必要です。それだけに分散投資するといっても、セミナーや証券会社の担当者の情報だけで購入するのは危険も少なくありません。やはりできるだけ自分でも情報収集することをお薦めします。とりあえず、海外駐在などで事情に精通する国がない場合は、BRICs+N-11の中からアジアの国を選んで、情報の収集をしてみてはいかがでしょう。
・BRICs…成長著しいと言われるブラジル・ロシア・インド・中国の総称。
・N-11…BRICsにつづく注目国としてゴールドマン・サックスが提唱する11カ国で、バングラディシュ・エジプト・インドネシア・イラン・韓国・メキシコ・ナイジェリア・パキスタン・フィリピン・トルコ・ベトナムとアジア諸国が多く入っています。
●株式のコスト(税金を除く)
・口座開設料
・口座保管料(年間1,500~3,000円)
・売買の際の株式委託手数料
ネット取引の場合は開設料や保管料はかからないのが一般的です。証券会社によっても違いますので、事前に確認ください。
成長が著しいアジア諸国の株は、リスクもありますが日本の株式には期待できないリターンを得られる場合もあり、注目されています。投資はリスク回避のために下記のように分散投資が基本です。
・安全性の高い預貯金とリターンを期待する金融商品への投資分散
・いろいろな銘柄を保有することによるリスクの分散
・日本株であれば輸出企業と輸入関連企業を併せ持ち、為替変動リスクを回避
・いろいろな通貨に投資し、為替変動リスクを回避
アジア株への投資は分散投資の一環として位置づけて、しっかりした資金の確保と長期的な資金計画、基本的な投資の仕組みの勉強が大切です。そして日頃の節約こそ、投資の近道といえるでしょう。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.interblog.jp/bizmt/mt-tb.cgi/515