MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

マイホームを売却して損失が出た場合[question]

前回に引き続き居住用財産に関する取得と売買についてご説明します。住まいを購入される方の中には、現在のお住まいを売却して住み替える方も少なくありません。買換えの場合は、それまでの住まいを売却しますので、それによる利益や損失が発生します。このときの利益や損失に対して、様々な配慮や控除が講じられていますので、自分にとって最も有利なものを選択することが大切です。平成19年度の税制改正で、その中の一つ「特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」について、平成21年12月31日まで3年間延長されました。

●特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算
バブルの時は不動産の価格が高騰し、一般の人々は多額のローンを組んでも買うことができる住まいは、都心から遠く離れた地域とならざるを得ませんでした。通勤距離を短くしようと思えば、広さは大幅に縮小を余儀なくされました。当然子供が大きくなれば買換えたい、という要望はふくらむはずです。しかし、バブルがはじけて不動産価格が暴落し、売却価格がローン残高を下回る現象も発生しました。このように居住用の財産を買換える時に譲渡損失が発生した場合、一定の条件を満たせば損失金額について、損益通算及び譲渡年翌年以降3年内の各年分の総所得金額からの繰越控除が認められます。

◇主な適用条件
・平成21年12月31日までに、自己居住用の家屋または土地で、その譲渡年の1月1日の時点で所有期間5年を超えるものを譲渡した
 場合
・譲渡の前年1月1日から譲渡の年の翌年12月31日までに自己の居住用家屋またはその敷地を取得し、取得年の翌年12月31日
 までに居住すること=買換えが前提
・買換え資産の取得年の12月31日において、買換え資産に係る償還期間10年以上のローンの残高があること

◇重複して利用できない他の控除等
(譲渡をした年の前年または前々年に下記の特例を受けている場合)
・居住用財産の譲渡に係る3,000万円控除を受けている場合
・居住用財産の買換えの場合の課税の特例を受けている場合
・住宅長期譲渡所得の税額の低減措置を受けている場合

(譲渡の年またはその前年以前の3年内に下記の特例を受けている場合)
・住宅の譲渡損失の繰越控除等を受けている場合
※住宅の譲渡損失の繰越控除等とは、買換えを前提としない居住用資産を売却した場合の損失を繰越控除できる特例です。

(その年の前年以前3年内に下記の特例を受けている場合)
・他の居住用財産の譲渡損失について、この買換え特例を受けた場合

◇考え方の例
マイホームを売却した場合の考え方表

Aさんは平成23年から所得税が発生する見込みとなります。


この特例が3年間延長されたということは、まだまだバブルの後遺症が続いているともいえます。同時に、日本の不動産は中古になると極端に価格が低下するケースが少なからず見られる点も大きな問題のひとつです。しっかりした構造の長持ちする住まいの提供、きちんとした維持管理、良好な不動産流通市場などの健全なサイクルの成熟が待たれます。

また、中古物件でも当初の価格から目減りしない物件もあります。購入に際しては立地なども吟味し、しっかりした物件を見極めることが大切です。消費者の意識も良好な不動産環境を育てる重要な要素です。

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