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物件の瑕疵担保責任と設計図書の重要性[question]

「瑕疵」という言葉、いかにも気が滅入りそうな言葉ですね。しかし、平成12年4月1日に住宅の品質確保の促進等に関する法律が施行され、「住宅性能表示基準」「住宅性能評価制度」「新築住宅の請負契約または売買契約における瑕疵担保責任の特例」などが整備され、法律の文面も簡潔なものとなり、消費者側の利益に即したものになってきました。

●瑕疵担保責任とは

「瑕疵」とは簡単に言えば、見えていない欠陥のことです。

◇民法の文面…(第634条 請負人の担保責任)仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は請負人に対し、相当の期間を定めてその瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。

(第634条2) 注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。

(第570条 売主の瑕疵担保責任)売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。
→第566条  …買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。…第570条2  略 …3  前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

※この規定は売主が個人の場合は適用されない。個人の場合は瑕疵については、必要に応じて別途契約書で定めておきます。

◇住宅の品質確保の促進等に関する法律…下記の3つの制度を創設し、住宅の品質確保と住宅を取得する者の利益の保護、住宅に関する紛争の迅速かつ適正な解決を図る目的で制定されました。

(1)「住宅性能表示基準」「住宅性能評価制度」の創設
※詳しくは2006年4月のコラム「住宅性能表示制度」を参照ください。

(2)住宅紛争処理体制の整備
建設住宅性能評価書が交付された住宅の建設工事や売買契約に関する紛争について、指定の紛争処理期間の調停などが受けられるように体制整備がされました。

(3)「新築住宅の請負契約または売買契約における瑕疵担保責任の特例」
新築住宅の請負人や売主は、その住宅を引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法の定める担保責任を負う義務が課せられました。

◇消費者契約法…平成13年4月1日に施行された消費者契約法は、情報の量や質の面で事業者に劣る消費者の利益を保護する目的で制定されました。不動産事例で分かりやすい事例は、不利益事実の不告知であります。本来の瑕疵の意味とは異なりますが、売主の責任などを規定しています。

●新築物件の瑕疵担保責任

上記の説明に売主と請負人の関係などを付け加えます。

◇請負人(施工業者)と売主が異なる場合…売主の担保責任に加えて、請負人も担保責任を負います。

◇瑕疵担保責任期間…10年未満の期間の設定は禁止されていますが、20年を上限として10年を超える期間も設定できます。

◇その他の保証制度
・住宅メーカーや建設会社独自の保証
・住宅性能保証制度を利用した10年保証
・住宅性能表示制度による性能評価書の交付による保証


●設計図書の重要性

「瑕疵」はまず発生させない工夫が先決です。住まいの「瑕疵」や不具合に対するリスクを低減する為には、設計図書が大きな役割を果たします。設計図書の充実の効果は…
・設計上の問題点が事前に発見されやすい
・仕上げ、設備、仕様が明確になり、適性見積が可能で、双方納得の工事となる
・工事監理がしやすい。工事の問題点も発見しやすい
・万一「瑕疵」が発見されても、その原因が特定しやすい

施主も納得、職人も工事がしやすい、工務店も適正利益が確保でき、関係者全員が気持ちよく仕事が出来る物件には「瑕疵」が存在しにくいものです。資金も無駄なく配分でき、コストダウンにもつながるはずです。

中古住宅を売買する場合も、設計図書や工事写真の保管がしっかりしていることは、売主からすれば、高く売れる要素であり、買主からすれば安心感を得ることができます。従って個人間の取引は、設計図書や工事写真の充実度が、売買契約上の瑕疵担保責任の取り決めに影響します。住まいは大切な資産です。住まいはしっかりした設計図書のもとに建設し、図書は建替えるまで保管しましょう。

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