MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

誰でもできる地震対策(構造編)[question]

Q:最近、地震が多いので対策をしたいと考えています。お金をかけずにできる補強で、良い方法はありますでしょうか。

A:前回に引き続いて、今回は構造編についてお答えしたいと思います。さすがに構造となると、簡単にとはいかないかもしれません。しかし、大切な財産ですので、自分でできる部分はしっかり押さえておきましょう。

●Step1 我が家の耐震診断を行ってみる

最初に、建物のおおよその耐震性能を把握します。自分でできる「我が家の耐震診断」方法は、各自治体で提供していますのでホームページで検索ください。自治体によって表現は若干の違いがありますが、大差ありません。また、国土交通省でもサイトを用意しています。
なお、設計図書があれば、用意して下さい。この診断方法は図面が無くてもできますが、筋交いの位置や基礎に鉄筋が入っているかどうかなどが分かれば、より正確になります。
この方法で、補強を必要としている住まいの弱い箇所が発見できるかもしれません。但し、申し分がないという結果が出ても、この方法は簡易的なもので、おおよその目安です。完全に安全であると保証するものではありません。心配であれば、専門家に診断を依頼してください。

●Step2 インテリア編を参照して、荷物を軽くする

不用品を処分したり、重いものを1階に移したりして、建物の負荷を軽くしてバランスよくします。大地震が発生し、建物の倒壊などがニュースに登場する度に、瓦屋根の家屋が全壊している映像が流されます。瓦屋根の家は古い家が多いという側面もありますが、屋根の重さの問題も無視できません。木造の梁の大きさなどを設計する時に、柱の間隔が同じでも、屋根の材料が瓦・成型材・瓦棒などの鉄板類などによってサイズを変えます。瓦は2サイズアップさせます。逆に考えれば、お金を掛けない改修とは言えませんが、屋根材を軽いものに交換するだけで、かなり建物の耐震性は向上すると言えるでしょう。

余談ですが、屋根の改修を行う時に、今ある材料を撤去せずに新たな建材を安易に載せるのは問題です。そのようなセールスを度々見かけます。屋根の改修は、各階の構造体の補強を併用するのでなければ、既存より軽くする方向で行ってください。

●Step3

さて、今回の命題「お金をかけずにできる補強」は、構造体の補強についても可能なのでしょうか。「補強」には完璧という言葉は、残念ながらありません。現在の建築基準法は、耐震性能に関して改正してきましたが、どんな地震が来ても大丈夫というものではありません。「震度6弱の地震が来た場合、建物は倒壊せずに、避難が可能である」基準に過ぎません。(参照:耐震改修と所得税額の特別控除について)
しかし、いつ地震が来るとも分かりません。少しでもリスクを少なくする為には、できるところから進めるのが肝要です。

◇金具や耐震で補強…悪徳商法の報道などで紹介される金具補強ですが、適材適所に使えば、大掛かりな工事をしなくても、一定の効果を得ることが出来ます。

◇押入を補強…押入の中は、床は6mm、壁は4mm程度の合板で仕上げられています。最近は石膏ボードや収納専用のボードの場合もありますが、狭い範囲なので、容易にボードの張りなおしも可能です。押入の壁を補強すると全体のバランスが良いケースは、ボードを剥がして、筋交いをより強固なものにするか、仕上げ材を兼ねて、柱や梁などの構造材に直接厚さ9mmや12mmの構造用合板を張り渡して、耐力壁としての強度をもたせます。居室の壁を補強しようとすると、全体のクロスなどを剥がす必要があり、費用もかかります。収納の壁の補強は比較的に低価格でできる部分です。

◇リフォーム時…リフォーム時こそ、耐震性能向上のチャンスであることは、何度かコラムに載せてきたと思います。ちょっとした壁の追加が、被災するかどうかの境目にならないとも限りません。リフォーム時は、Step1の診断を行いながら、壁の配置を考えてください。

耐震性能にはバランスが大切で、Step1で分かった建物の弱い部分を、補強して強くするのが基本です。弱い部分を補強せずに、もともと強いところをさらに補強すると、ねじれ現象を引き起こす要因になります。

また、阪神淡路大震災では本来構造体を強くする筋交いが、柱と梁の接合部を押し上げて、結束をはずしてしまう方向に働いたことが報告されています。従って、構造体の補強は「筋交いを入れればよい」「金具を使えばよい」という簡単なものではありません。新築より難しい判断が要求されます。また、耐震性を高める方法は「補強」だけでなく、「制振」や「免震」という概念もあります。安易に考えずに、耐震補強に詳しい専門家の判断を仰いだほうが無難ですが、少なくとも「我が家の耐震診断」などで、建物の弱点を自分でもしっかり把握しておくことが大切です。

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