MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

ペットと暮す[question]

Q :ペット可のマンションを購入し、リフォームを考えています。その時に気をつけるべきポイントを教えてください

A :一口にペットと言っても、最もなじみのある犬と猫ですら、その性質も習性も違い、一口に論じられません。最近は爬虫類なども人気のようですが、古くから人間と生活を共にしてきた犬や猫であれば、少なくとも生活環境は共通で、飼育のノウハウも確立されていますが、環境の違う地域に生息する野生動物の飼育は、管理が容易ではありません。以前、建築雑誌に「亀と暮す住まい」の記事がありました。…記憶している内容は、「生活するための適温が人間と全く異なるので、人間の部屋とも完全分離で専用の温度管理の部屋が必要。亀はかなり大きくなるので、部屋のサイズもそれ相応のものが必要。かつストレスが溜まるのは動物も同じで、一定の運動ができる広さも大切。」…などでした。亀はペットとして、比較的目にすることが多い動物ですが、費用面でも管理の手間の面でも、安易な気持ちでは到底飼育をまっとうできない、膨大なエネルギーが必要なことに驚きました。

●犬の為の建築的仕掛け

以前は犬を飼う=屋外と決まっていましたが、最近は庭の縮小やペットに求めるものの変化などにより、室内で飼うことが普通になりました。狭い家の中で、犬も人間もストレスをなるべく感じずに暮せる工夫とは、どのようなものでしょうか。

(1)外部とのつながりを持たせる…犬の目線から、窓の外が見える工夫や、ベランダやテラスから外部社会に接することができるように、コンクリートやブロック塀の場合は、換気も兼ねて部分的に格子付きの開口部を設置すると良いでしょう。
(2)設備の充実
・フットバス…散歩の後、足を洗うフットバスが出入り口にあると便利です。市販の立水栓と防水パンでも良いのですが、滑りやすく嫌がります。庭のデザインの一環として、床を滑るように流れる池のような演出をして、人間も楽しめるような工夫をすると楽しいと思います。水飲み場を併設すると、散歩を終わってのどが渇いた犬が、自然に洗い場に入るようです。シャワーを取り付けると一層便利です。
・フンの始末…市販のダストボックスなどもありますが、生ゴミなどと一緒に肥料にするために、ポットを埋め込んで置く方法もあります。
・防護フェンス…門扉などは犬が潜れないように、隙間の少ないものにしておくと、飛び出し防止にもなります。室内でも必要に応じて柵などを設置します。ドアだと買主の姿が見えませんが、柵による区画分けは互いに気配を感じられます。
(3)手入れのしやすい建材の選択…すべりにくく、抜け毛などを清掃しやすい床材を選びましょう。また、壁の床に近い部分を腰壁として板張りにしたり、途中に木材のボーダーなどを入れて、下の部分のクロスだけを張り替えられるようにしたりすると、手入れが簡単です。

冒頭と同じ建築雑誌の記事の中に、犬と暮す事例もありました。…「大型犬ですが、当初は室内犬として考えていた。子供が生まれたので、急遽居住エリアを分離するように設計変更した。免疫力が十分でない子供にとって、ペットとの共同生活はリスクを伴い、ダニやペットの毛などの問題もある。人間と犬の居住空間はガラスやサッシで区画分けされている。リビングのサッシ越しに犬のメインの居住空間であるテラスがある。もちろんテラスは人間も利用するが、犬は人間のリビングには入れない仕組みである。しかし、人間が何処に移動しても、犬専用の通路(地下トンネルや専用デッキ・庭など)を通って、飼主の居場所まで行くことができるようになっている。いつも飼主の後を追いかけたい犬の習性に合わせて、犬が建物を回遊できるようになっている。管理面でも、散歩から戻った犬が浴室に直行でき、体を洗ってもらえる。」…概略はこのような内容で、子供のリスクを軽減しながらも、室内で飼う楽しさ、犬の習性にも十分に配慮したプランが紹介されていました。

ペットに対する考え方は人によって様々ですが、日本の家屋は、靴を脱いで生活するスタイルですので、個人的には、このようなセミセパレートな方法に賛成です。大掛かりなものでなくても、土間付きのリビングや中庭、インナーガーデンなど、人間にも楽しい工夫でペットとコミュニケーションを図りながら、住み分けを図ることは可能です。

●猫の為の建築的仕掛け

猫専用の建築面での仕掛けの代表的なものは、猫が部屋に自在に出入りできるようにドアや壁に設置されたくぐり戸です。小さな小型犬にも使えます。最近は、運動用のポールや飛び移る棚、梁などを利用したキャットウォークなどを、上手にインテリアとしてデザインする事例も多くなりました。建築用語でキャットウォークというと、劇場や体育館などの天井裏や天井付近にある機器類の点検の為の専用歩廊を言いますが、実際に歩くとかなり怖いものです。2次元の床しか歩けない人間にとって、柱を駆け上ったり、ちょっとした足がかりで高い場所に自在に飛び移ったり、3次元空間を身軽に行き来する猫は、見ていると爽快な気分にさせてくれます。

ペットと暮す仕掛けのポイントをまとめてみると、
(1)その習性を生かした仕掛けでペットのストレスをなくす
(2)管理の手間を楽にする
(3)ペットと暮すことによって生ずるリスクを考え、低減する工夫をする
(4)ペットの為の仕掛けは、間取り、インテリア、エクステリアを工夫し、人間自身への癒し効果と連動させる
(5)ペット専用のスペースや機器ではなく、人間も使えるような多目的なものにする

…と書いていると、ニ世帯住宅のポイントのようにも思えてきました。互いに思いやる気持ちが大切なことは、人間もペットも共通している部分が多いからなのでしょう。

ペットにあったリフォームを心がけ、楽しい暮らしを過ごすようにしてくださいね。

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