
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
Q:中古マンションの購入を考えています。ただ、修繕積立金など不安なところもあります。必ず必要なチェックポイントを教えてください。
A:中古マンションを買った途端、大規模修繕工事が行われて、多額の一時金を出資せざるを得なかったら大変ですね。長期修繕計画と修繕積立金の積立額の残高は必ずチェックしておきましょう。
中古マンション購入のチェックポイントは過去のコラムでまとめましたので、今回は修繕積立金について、少し詳しく考えて見ましょう。
●中古マンション購入時の修繕費チェックポイント
下記に主なチェック項目を挙げておきました。そのほかに気になる事柄も追加して、チェックしてみてください。確認事項の欄は、ご自分で記入するスペースです。修繕費に限らず、購入時にチェックしたい項目は、このように表を作成すると便利です。

※次回の修繕年までの年数×戸数×修繕積立金×12ヶ月+積立残高≧大規模修繕費であるかどうかは、上記のチェックで簡単に計算でき、修繕の際の一時金の出費の有無もおおよそ予測できます。但し、修繕積立月額は全戸の中で平均的な数値とします。
●管理費と修繕積立金
新築・中古を問わず、毎月の管理費は購入時に必ずチェックをするでしょう。専有部分の面積の大きさや共用部分の設備の種類、管理体制などによっても違うと思いますが、一般的に2万円前後です。さらにその内訳の修繕費にも注目してみましょう。修繕費は、分譲時の修繕一時金(毎月の管理費負担を軽減し、大規模修繕に備えるために、新築分譲時に一括して支払う一時金)の有無にもよりますが、全体の管理費の50%弱です。極端に少ない場合はその理由について確認しましょう。
●長期修繕計画とは
建物はどのようなものでも、常時手入れが必要です。手間を掛けるほど長持ちし、しかも早めに対処したほうが、費用も少なく抑えられます。特に住まいは、多額の費用を費やして手に入れるものです。せっかくの資産ですので、長く良好な状態で維持していきたいものです。
長期修繕計画とは、建物が耐用年数を終えるまで、おおむね、いつどのような修繕をどのくらいの費用で行うかの長期計画です。建物の設備や材料はそれぞれ耐用年数が異なります。その部位が耐用年数をむかえて、どうしても修繕しなければならなくなった時に、必要な費用を確保しておくための資金計画の元となりうるものです。きちんとした分譲業者は経験則に基づいた修繕計画を元に、修繕費用の積立や一時金を算定しているはずです。
●大規模修繕とは
前項で、建物は常時手入れが必要と書きましたが、エレベーターの定期点検、その他電気施設や水槽の管理などは日々の管理費や修繕積立金を取り崩して管理しています。大規模修繕とは10年~15年に一度、外壁や防水など、建物全般の保全・補修を行うものです。通常足場を掛けて作業します。足場の費用は工事費の中で少なくない金額を占めますので、足場を必要とする工事は、この機会に集中して行います。外壁塗装や防水材の寿命は10年前後のものが多く、大規模修繕の周期もこれに合わせています。外壁がタイルの建物なら塗り直しが必要ありませんが、中古マンションのほとんどに、コンクリートの収縮によるひび割れ防止修繕跡があるはずです。(各階床の境目、水平の目地や、3mごとに目地が縦になっている)この目地には防水性能のあるシーリング材が注入されていますが、このシーリング材はやはり定期的に交換が必要です。
修繕費用の基本的なチェック事項は上記の通りですが、一般的に規模の大きいマンションほど、工事金額は割安になる点も考慮に入れてください。一般の管理費も同様で、200世帯のマンションも50世帯のマンションも管理人は最低限一人必要です。全体の管理費が規模のメリットにより低く抑えられれば、その結果、より多く修繕費に配分することも可能です。また、世帯数が多いと、建築や税務など各分野の専門家が居住している確率も高くなり、工事費を適正価格に抑える意味でも有利です。
中古の住宅の購入の際に、フラット35を利用する場合は検査機関または適合証明技術者から交付される適合証明書が必要となります。このときに大きな問題の有無が判定されます。また、別途料金になりますが、適合調査を行う建築士に、大規模修繕計画などの適性をチェックしてもらうことも可能ではないかと思います。
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