
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
Q:セカンドハウスと別荘は、税金面で違うと聞いたことがあります。どう違うのでしょうか。
A:日本人的感覚だと、別荘の英訳がセカンドハウスのように思いますが、一般的な会話での使われ方は別として、不動産に関する税金面で考えると、別荘とセカンドハウスは大きな違いがあります。
別荘を和英辞書で検索すると、(a country[resort] )villa、a (country) cottage、とあります。セカンドハウスは、a second houseです。a summer houseなど、双方共通で使われる言葉も載っています。英訳でも、若干のニュアンスの違いを感じますが、日本の住まいを取り巻く税制上の用語としての「セカンドハウス」と「別荘」は大きな違いがあります。
●セカンドハウスと別荘
税制上の用語の違いは、
セカンドハウス=日々の暮らしに必要な2番目の住まい
別荘=ぜいたく品
というようなイメージです。つまりセカンドハウスは、仕事の利便のための都心の住まいや週末を家族で過ごす郊外の住まい、遠距離通勤者が平日に利用する職場近くの住まいなどを指します。それに対して別荘とは、日常的に利用しない保養のための住宅を意味します。従って、住まいに関する税制のいくつかは、セカンドハウスを居住用財産と同等にみなして、税金の控除などを認めているケースがあります。いくつか事例を紹介しましょう。
●新築住宅に対する固定資産税の減額
平成20年3月31日までに新築された住宅で一定の条件を満たすものは、床面積120㎡までの部分の固定資産税額が3年間または5年間(準耐火建築物・耐火建築物、3階以上の中高層建物の場合)、1/2に軽減される特例です。この特例は、セカンドハウスも対象となります。
●住宅用地の課税標準の特例
住宅用地は固定資産税の計算の元となる課税標準額を軽減する特例があります。特に200㎡以下の小規模宅地の課税標準額は固定資産税評価額の1/6になります。この特例については、別荘用地は対象となりませんが、人が住むことによる住民税収入に対応するものですので、土地に建つ住宅は自分の居住用住宅でなくても、アパートや別の人の所有の住宅でも適用されます。
●特定の住宅取得の特例(課税標準・税率)
一定の条件を満たす居住用の家屋や土地を取得した場合は、その不動産の評価額から一定の金額を差し引いて、不動産取得税を計算します。この場合セカンドハウスも対象になりますが、別荘は適用外です。例えば、
◇新築住築の場合の不動産取得税の計算 → (固定資産税評価額-1200万円)×3%
となります。
1200万円の控除が課税標準の特例で、3%が住宅に対する税率の特例です。
●居住用財産譲渡の3000万円控除
自分が住んでいる家屋やその敷地を譲渡した場合、一定の条件を満たせば譲渡益から最大3000万円を差し引いて、譲渡所得税を計算できます。この3000万円の控除は、居住用家屋が2つ以上ある場合は、主として居住している家屋にしか認められません。別荘は無論ですが、セカンドハウスも不可となります。しかし、転勤、療養などのために配偶者等と一時的に離れて暮している場合などで、転勤や療養などが終了すれば配偶者が居住している家屋に戻ると考えられる場合は、その配偶者等が住んでいる家屋も3000万円控除の対象となります。
それぞれの税制の対象となる住宅の範囲は、その税制の趣旨によって異なり、現実の住まいとしての必要性や、やむを得ない事情などに配慮して決められています。同時に現実の問題としても、セカンドハウスと別荘の線引きは、上記の区別の通り、明確に説明できる場合だけとは限らないように思います。法律も日々変わり、税務署によって解釈にも違いがあるかもしれません。不動産の売買などの際は、個別に確認の上、対処ください。
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