MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

売却を見据えた住まいの建築[question]

Q:住宅の建築を考えております。将来、物件の売買も視野に入れて建築する場合、どのようなところに気をつけた方が良いでしょうか。

A:売却を想定しているのであれば、売却可能な、それもできれば高く売却できるものである必要があります。万人共通の好みの間取りや設備など、オーソドックスな価値を持つ仕様にすると良いでしょう。同時に、決して仮住まいなどと考えずに、自分も含めて誰もが住みたくなるものにすることが大切です。

老後は田舎や海外で過ごしたいと考えている方、とりあえず手ごろな価格の住まいを手に入れて、将来、より大きな住まいに買い替える予定の方、開業・開店などで事務所や店舗付きの住まいを購入予定の方…など、今の住まいを売却し、次の住まいを建築・購入するケースは少なくありません。しかし、物価が上昇し続ける環境であれば別ですが、停滞している昨今の状況では、住まいの買い替えには慎重を要します。資産価値の目減りや、仲介手数料の負担、税金など、上手に考えないと無駄な費用ばかり発生する結果となります。

●しっかりした住まいをつくる

売却に備えて、資産価値の目減りの少ない住まいをつくるには、しっかりした住まいをつくることに尽きます。しっかりした住まいは、「計画」「設計」「施工」「維持管理」これら一連の課程を、確実に行っていくことでしか作りえません。まず計画を吟味し、どのような建築にするのか、収支計画に無理はないか…など、少なくとも売却時の先までも計算しておきましょう。

●収支計画でメリット・デメリットを把握する

住まいの耐用年数は、「100年住宅」という宣伝もあるほど長くなっています。何年先に売却するのか、どの程度の価格で売却を想定しているのかを考えて建物を計画することが大切です。将来的には分かりませんが、残念ながら不動産流通の現状は、中古の建物の価値は極端に低くなってしまいます。仮に30年後の老後に売却を考えているなら、土地だけの価格となってしまうことも覚悟する必要があります。
また、売却や買い替えには、いろいろ手数料や諸費用・税金などがかかります。家具なども新居用に新しくしたいでしょう。生涯を通じた収支計画をしっかり考えて、売却のメリットがあるかどうか、収支のシミュレーションを行ってください。

●住まいの履歴を残す

度々このコラムでも述べていますが、しっかりした設計、しっかりした施工であることを証明する記録を残しておくことは、売却の際にとても有利です。図面数が多ければ良いと言うものではありませんが、詳細な図面を多く作ると、曖昧な部分が少なくなり、良い仕事ができるのも事実です。住宅メーカーなどは工業化されていて、個別には簡単な図面しか作成しないケースも多いのですが、標準的な詳細図なども手に入れておきましょう。下記に保管すべき図書類を上げておきます。これ以外にも、記録はなるべく多く残しておきましょう。

◇設計図書・構造計算書、確認申請図書等の個別図面
◇認定図書・標準詳細図などの共通図書
◇契約書、保証書、認定書、住宅性能評価書、お手入れ読本等の書類
◇工事中の写真
◇設備機器等の保証書、取扱い説明書
◇維持管理履歴、リフォーム履歴と図書

●維持管理をしっかり行う

住宅展示場で話を聞いていると、「維持管理が簡単な建物」「維持管理をしなくても良いもの」などの希望を述べる方がいます。「手入れが簡単」の指す意味が、「手入れを一生懸命行いたいのから簡単にできる住まいが望ましい」という意味なら、まっとうな意見ですが、残念ながら「手入れをしたくないので、なるべくせずに済むものを」という意見の方が多く見受けられるようです。手入れをせずに済む建物などありません。手入れをすればするほど長持ちするという、結果が伴うのが住まいです。しかも何千万円もかけてつくる住まいなのですから、少しでも長持ちして欲しいはずです。売却を考えているのであれば、なおさらでしょう。

そのために、「手入れを一生懸命行いたいから簡単にできる住まい」は、重要なポイントです。住まいは配管や配線などの点検、小屋裏や床下の点検をすれば、建物の健康状態が自分達でもチェックできる構造であるべきだと思います。昔の住まいは問題点もありましたが、構造が単純で、床下や小屋裏は簡単にチェックできました。新しく建てるのであれば、現代の住まいに見合った性能を確保しながらも、点検がしやすい建物のあり方を設計者と話し合っておくと良いかもしれません。

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