MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

シングルマザーを上手に生きる 1 生活基盤の確立[question]

日本も離婚率が上昇しているようで、知り合いがクラス会に行ったら、出席者の半数以上が離婚経験者だったそうです。本人もその一人にも関わらず、驚いていました。

ただでさえエネルギーを必要とする離婚ですが、多くの女性にはさらに子供を抱えながら、今後の生活基盤を確立しなければならない課題が迫ってきます。以前と比べて女性も確実に働きやすくなったとは思いますし、仕事への関わり方も多様化しています。しかしそれはパートやフリーター、契約社員といった不安定なポジションを女性が多く担っていることに他なりません。大黒柱として一家の家計を維持していくことは今の時代も決してたやすいことではありません。

今回は4回にわたってシングルマザーの生活設計について考えてみたいと思います。

●二刀流思考で困難な事態を脱却する

結婚しようが離婚しようが、人間は生きていかなくてはなりません。そのためには、一人の大人として、衣食住の確保とそれを可能にする収入を得る必要があるという基本的な事実はなんら変わりません。離婚によって特別な事に直面するというより、当たり前の事実があるだけです。今後の生活を左右する慰謝料や養育費、財産分与などについて、しっかり考えていくと同時に、一人の大人としてこの原点に立ち戻り、自力で生活基盤を営々と作り上げていくことにエネルギーを注ぐことが、その後の暮らしを実り豊かにする大切なポイントだと思います。

最近は女性の経営者や成功者も多く、マスコミを賑わせています。そうした方々に共通して言えることは「誰よりも頑張った時期が必ずある」ことです。財産分与や養育費の確保に気をとられ、エネルギーも割かれるとは思いますが、あえて意識を双方に注ぎ、集中してこの時期を乗り切ることが、どんなに大変でも精神衛生上も好ましいのではないかと思います。

●住居の確保

離婚に伴って厄介なのが、所有している住まいの処理です。「共有名義になっている」、「ローンの残債が残っている」、「不動産価格が下落して売却しても手元に何も残らない」…などの原因がスムーズな財産分与の支障となります。しかし家賃を支払っていくことは、家計を圧迫する上に貯蓄ができず、悪循環の上、結局生涯家賃を払い続けることにつながりかねません。持家の場合は住まいを優先して財産分与を受け、ローン分を養育費にできれば、だいぶ生活は安定します。場合によってはよりコンパクトなマンションに住み替えてから分与を受けると、夫の負担も軽くなり、双方のバランスが取れる場合もあります。

賃貸住まいの場合は、最寄りの自治体・福祉事務所などに公的支援制度の有無と内容をお問い合わせください。母子アパートへの斡旋や家賃補助などの制度を設けている場合があります。その地域での居住歴が問われる場合もありますので、離婚に伴って居住地域を変更する時は注意が必要です。東京であれば都営住宅・東京都住宅供給公社などの優先入居などについてもご確認ください。

●仕事の確保

社会で仕事を続けてきた一人前の男性でもリストラの危機にさらされている時代です。共働きであればともかく、技能も経験もない主婦の場合であれば、1人で生計を維持していけるか不安に思うのは当然かもしれません。しかし今、日本の社会では多くの外国人が働いています。コンビニの従業員などを想像すれば、わが町ではもはや日本人の方が珍しいくらいです。技能どころか、言葉も話せない人たちが日本の社会で生活できていることもまた事実なのです。

まだ20代の頃、仕事を持つ女性の集まりに何回か参加したことがあります。企業に勤める方のほかに、政治家・キャリア官僚・評論家・キャスターなどの有名な方も多くいて顔をあわせたことがあります。今と違って企業の中の女性の地位はきわめて低く、悪戦苦闘する先輩達の話は、どれも勇気づけられました。その中で、子供を預ける保育園がなく、転勤しながら自分で自治体に働きかけて保育園を各地に作ってきた方の話を聞いたことがあります。当時は夫が家事や子育てを手伝う風習もなく、保育園等の施設も乏しく、ひとり孤軍奮闘してきたのです。収入面は別としても、大変さは今のシングルマザー以上と言えなくもありません。
「誰でも大変な時期がある」ことを念頭に、生活の基盤を確保に集中することが肝要です。子供が小さい、教育費が大変などの時期はいずれ終わることは確実なのです。

●公的支援の把握

ハローワークなどで仕事を探すと同時に、市町村の窓口や各地にある福祉事務所で、支援などの内容について相談すると良いでしょう。事前に東京都や市町村のホームページで支援の概要を把握しておくと、相談内容も充実します。主な公的支援の内容や問い合わせ先をまとめておきます。

国…「児童扶養手当」
東京都…「児童育成手当」、「都営住宅」「東京都住宅供給公社」「福祉事務所」などのサービス
区市町村…「生活保護」、「各種助成金」

離婚を考え始めたら、フルタイムの安定した仕事に従事している場合を除き、まず安定した仕事の確保に着手しましょう。離婚までの夫の収入を期待できる間は、長く続けられる仕事を探し、スキルアップできる絶好のチャンスでもあります。もし、長く続けられる仕事が見つからなければ、当面の仕事としてもかまいませんし、預金が増えるだけでもどれだけ安心かしれません。

NPO法人でシングルマザーについて専門に活動しているところがありますので、司法書士や弁護士などの選び方についてもアドバイスを受けられるかもしれません。自治体の支援体制なども含めて、情報の収集を早めに行うのが、その後の問題解決をスムーズにするポイントです。

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