MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

『季節と日本の行事とインテリア』-1 日本の年中行事と価値観[question]

Q:日本にはいろいろ伝統的な年中行事があると思います。現在の転勤先の地でも、独自の風習があるのを知りました。ゆくゆくは住まいを手に入れて、年中行事を楽しみたいと思います。行事が伝わる背景とはどのようなものなのでしょうか。

A:日本人は昔から外国の文化を取り入れ、独自のものを生み出す天才と言われて来ました。食事も和洋中、最近はエスニックや韓国のメニューも日常的になりました。やはり季節や味に対して繊細で感受性豊かな文化が背景にあるのではないでしょうか。

改めて考えてみると、日本は本当にいろいろな年中行事があります。中国からの言い伝えに由来するものも多いのですが、季節の変化に富む自然環境や農業国としての、種まきや収穫などの暦を大切にする伝統と、自然への畏怖が多くの行事を産み出したと思われます。それが日本人の豊かな感受性をはぐくみ、さらに新しい行事を生み出してきたのだと思います。


●日本の文化と年中行事

睦月に始まる月の古い呼び名は、伝承やその月の性格を現していると言われています。暦には、さらに下記の二十四節気や六耀(大安や仏滅)、選日(三隣亡など)など、主として中国伝来によるいろいろ性格がつけられています。今でも三隣亡の建築の着工や棟上げを避ける傾向にあります。さらに干支のように、年単位の性格付けもあります。

◇二十四節気
 一年を二十四等分した陰暦の季節の区分です。立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霧降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒となります。ニュースなどで季節を表現する時に時々出てきます。こんなに細かく繊細に区分しているのです。立春・立夏・立秋・立冬の前18日間を土用と言い、これが過ぎると次の季節に移ります。

◇一年の主な年中行事
 祝日になっている二十四節気以外の主な行事一覧です。これ以外にも、それぞれの地域ごとの行事や一族の法事、家族のしきたりなどが加わります。

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●暮らしと主な行事の意味

これらの年中行事から、日本人の価値観を探ってみます。

◇食と連動
 上記の表を見ると、ほとんどの行事が「食」と連動していることがわかります。行事には食が付き物とは言え、単にご馳走という以上の意味が、それぞれの「食」にはあると思います。

◇住と連動
 それぞれの行事に対する住まいの設えや風景は、日本人であれば共通のイメージがあると思います。例えば、「お月見」。障子やガラス戸を大きく開け放して、広縁にススキとお団子。庭の虫の音を聞きながら、または小さい子供にウサギの餅つきの話などをしながら、家族で月を眺めている。なにかしら日本人が大切にしている心地よさのようなものを、行事の風景から感じられます。

◇地域と連動
 近所総出の餅つき大会や、お盆や正月の帰省で都会に出ていた若者同士が旧交を温め、共に祭りに参加するなど、地域と行事は切り離せません。すす払いも、一軒でやると近所迷惑となりかねません。洗濯物を干しているのに、隣の庭で畳をパタパタするのは問題です。気兼ねなく行うには、やはり隣近所一斉が安心です。

◇その他の行事
 その他の行事の項目には、外国から近年伝わったものもあります。クリスチャンでもないのにクリスマスを楽しみ、最近はハロウィンまで話題になり、考えれば不思議です。関連商品を売りたい企業の戦略もありますが、受け入れる下地が無ければ、ここまで浸透はしないでしょう。


行事が、時代が変わっても生き続けてきた背景には、子供に昔話を読み聞かせるのと同じく、子供の健全な育成や、地域の人間社会のコミュニケーションの重要な位置を占めていたからだと思います。子供が大きくなり、また地域の連帯が薄れれば、行事はどうしても廃れていく傾向にあります。

せっかく、豊かな伝統文化が存在するのです。生活を心豊かに楽しくする工夫に生かさない手はありません。住まいも一定の機能や性能は、かなり充実してきました。もっとシンプルでもと思えるくらいです。これからは、心地よさや精神的豊かさを追求していくようになっていくと思います。このときに伝統行事を上手に取り入れたいものです。


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