
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
Q:住まいのスタイルも変わってきましたし、外国の文化に触れる機会が増えました。北欧風のインテリアが好きな方、サンタフェ風、ハワイ風、バリ風などに癒しを感じる人もいると思います。そのようなインテリア様式を日本の風土や住まいにどのように取り入れればよいでしょうか。
A:インテリア雑誌などでも、外国のインテリアスタイルがいろいろ紹介されていますね。ポイントは、住むということは短期の滞在では無いので、飽きがこないものであること、機能的なこと、日本の気候風土への配慮と家具などのサイズをよく考える点だと思います。
●日本人が好む外国のインテリア
北欧の白木の家具やアジアンテイストの自然素材のものなど、日本人はシンプルでナチュラルなものが好きなようです。もともと木材をそのままの生地で使い、経年変化をそのまま受け入れてきた歴史もあります。木は呼吸していますので、赤や青、緑、白などに塗装するのを嫌いました。床材なども一時期と比較して、ナチュラルな色に戻ってきました。壁紙なども、狭くて利用時間が短い脱衣室やトイレなどを除いて、極シンプルなものが好まれます。ヨーロッパの派手な壁紙は、小さな窓で暗い室内、照明も天井灯ではなく、フロアスタンド中心という環境や文化と合わせて考えなくてはなりません。明るく狭い現代の日本の室内にそのまま応用はできません。やはり、基本は色使いを少なく自然なものをベースにすると失敗がありません。
高温多湿な日本の環境も配慮する必要があります。たたみは湿度を調整し、暑くじとじとした夏でも気持ちが良い素材です。せっかく買ったソファーも肌触りが悪く、カバーを掛けたりしては意味がありません。
●サイズが肝心
売り場で素敵と思って買っても、家に置いたら大きすぎて…よく聞く話です。特に外国の家具は、サイズが大きなものが多いので、事前に充分な検討が必要です。それでなくても現代の日本の暮らしには、いろいろな家具があふれて過ぎています。12畳程度のリビングダイニングにダイニングセットとリビングのソファーセットを両方置いて隙間が無いというのが普通のような気がします。特に外国のこだわり家具やインテリアの雰囲気を取り入れたいのなら、余白が大切です。「広いスペースにぽつんと置く」くらいの間隔で、家具のサイズや数を選ぶくらいで丁度良いくらいでしょう。リビング家具をセットで購入せず、ダイニングテーブルを大きく、少し低めのものとしたり、椅子をゆったり目のものにしたりして、くつろぎの場兼用とすると、それこそリビングに気に入った一品を配置できます。
また、テーブルやデスク、椅子やソファーなどの対人家具はすわり心地が肝心です。当然売り場で試して見ると思いますが、忘れてはならないのが、売り場では靴を履いていることです。ハイヒールを履いている時と、素足でくつろぐ時と感触がだいぶ違います。それでなくても欧米の家具は体格の良い欧米人、それも室内でも靴を履いてくつろぐ習慣のある人々のサイズで作られています。ソファーの角に膝を合わせると、背中が届かなかったり、かかとが床に届かなかったりしては、くつろげない上に、無理な姿勢となり健康上も好ましくありません。日本向けに考えられたサイズのものもありますが、直輸入のものなどは注意が必要です。
新しい住まいを購入したり転居したりした時に、家具やインテリアも一新したい気持になるでしょうが、費用も係りますし、失敗する危険もあります。本当に自分がそのインテリアタイルが好きなのか、長く付き合えるのかは、冒頭に記述したように、よく観察することと共に、小さな部分から試していくのが、上手に外国のインテリアを取り入れる方法です。例えば、クッションなどのファブリックや小物からスタートするか、自分用の椅子やデスクなどの一点ものを、まずは使いこなしてみると良いと思います。特に狭いスペースの場合は、極控えめな表現にするかワンポイントの演出の方が、そのものの良さを楽しめると思います。
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