MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

『エクステリアの基本』-1 配置計画 [question]

:家を建てる予定ですが、敷地が狭く庭がほとんど取れません。それでも何とか緑をアレンジしたいと思っています。良い方法はあるでしょうか。

:都会の一戸建住宅は、大なり小なり同じ問題を抱えています。これから間取りの検討に入る段階なら、「庭=余剰スペース」ではなく、「庭=間取りの一部」として考えることが大切です。室内の無駄なスペースを省き、たとえ一坪でも室内とつながりのある外部空間を作れば、豊かな住まいとなります。

どんなに立派な造詣であっても、緑と寄り添わない建物には潤いが感じられません。反対に、粗末で古びた家屋でも、美しい緑と調和していれば風情があるものです。したがって、住まいにとってエクステリアは大切な要素なのです。Q&Aにあるように、庭も間取りの一部として、内部空間と同時にプランニングすることが大切です。


●庭の配置

狭い都会の敷地に、室内だけのことを考えたばかりに精一杯欲張って床面積を広げれば、敷地の残りの部分は、下記の図Aのように、まさに猫の額となりかねません。一方、間取りを工夫して、建物の一部を道路面にぎりぎりに寄せただけで、図Bのようにまとまったスペースがあれば、変化ある豊かな楽しみ方が可能となります。もちろん道路状況などで、必ずしも可能だと限りませんし、図Bの方が常にベストとも限りません。ただし少なくとも、室内の間取りと平行して、庭のあり方も考えるようにしてください。

図A                              図B

080410A.bmp080410B.bmp


●狭い庭を豊かにする工夫

それでも都会では、庭を広く取ることは難しいといえるでしょう。そこで、狭いスペースしか確保できない場合でも、最大限エクステリアを豊かなものにする工夫をいくつか考えてみましょう。

◇できるだけ一箇所にまとめる … 上記の図Bの考え方と同じです。以前建築誌に、わずか一坪しかない中庭に、もみじを植えた例が掲載されました。住み手のコメントとして「新緑も紅葉も冬枯れも、それぞれ風情があり、季節を感じながら暮らせる」といった内容が書かれていました。

◇室内と連動させる … 中庭は、プライバシーが守られるばかりでなく、庭と面している室内と一体の空間を作り上げることができます。中庭を通して、反対側の室内まで広がりを感じることができるのです。一般に中庭というと、広い敷地を持つ家に限られた贅沢な空間と思われるかもしれませんが、狭小地ほど中庭を活用するのに最適です。「ロ」の字でなくても「コ」の字型や、上記の図Bのように「L」字型でも中庭の設えは可能です。また、アウトドアリビングなど、室内の空間の延長としてエクステリアを作ると、室内にも広がりが生まれ相乗効果が得られます。

◇上下に伸ばす … 一本の高木をシンボルツリーとして植えるスペースがあれば、茂った葉のゆらぎ、レースのカーテン越しの木の影、2階から見える枝葉の美しさなど、それだけでも心が洗われるような気がします。少し高めのネットフェンスなどに、ツタなど「つるの植物」を這わせて、室内からの目線と同位置に緑があるようにすると、目隠しも兼用でき、街並みにも寄与できます。

◇借景 … 大げさなものでなくても、お隣にちょっと高い木があれば、窓の位置を工夫するなど、貪欲に利用してみましょう。スリット窓などでプライバシーを守りながら、緑の部分だけを切り取って楽しむなど工夫はいろいろです。

◇2階リビングのメリット … 都会の住まいは、もっと2階リビングを考えても良いのではないでしょうか。2階リビングは、さんさんたる陽光に、風は速やかに通り抜け、高い勾配天井など変化のある空間や大きなスペースが可能です。さらに、間仕切りが多い小部屋部分を1階に配置できるので耐震性が高いなど、2階リビングには多くのメリットがあります。眺めもよくなり、緑が少なくても開放感があります。

◇窓の配置 … 庭が少なくて落ち着かないと感じるのは、緑が少ないことよりも、見たくないものが目に入ることが大きな要因だと思います。その点、上記の中庭は効果的ですが、サッシの位置の工夫でも改善できます。日本人は掃き出しサッシにこだわりすぎる傾向があるようです。今ではホウキで掃きだす必要もないので、家具を窓際に寄せて室内を有効に活用するには腰高窓の方が優れています。窓台や花台を作って楽しんだ方が、中途半端な地面を眺めるよりも良い場合があります。また、床面に接して設けた地窓も、その部分だけ外部に潅木を植えれば、室内からは緑いっぱいに見えます。潅木だとスペースもそれほど必要なく、花を楽しめるものもいろいろあります。借景の項目でご紹介したスリット窓も一つの手です。

庭を上手に活用するには、やはり最初の配置とプランニングの際に、室内の間取りと平行して考えるのが効果的です。また、今ある庭を改善する場合にも、参考に出来る部分もあります。特に視界に入れたくないものを緑で上手にカバーしたり、窓から見えるように緑を配置したりすると効果的です。

今回も4回に分けてエクステリアについて考えていきたいと思います。


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.interblog.jp/bizmt/mt-tb.cgi/649

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


PAGE TOP