MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

『インテリアの基本』-4 家具の考え方[question]

:来年住まいが完成します。新居に移転するに際して、上手に家具を選ぶポイントはありますか。できれば手持ちの家具も上手に再利用したいと思います。

:新居に持っていく家具と購入予定のリストとサイズ表をまず作成し、ボール紙などで間取り図に併せた縮尺のサイズ模型を作ってレイアウトをいろいろ試してみると失敗がありません。長年使い続けるものなので、使いにくいまま過ごすことを考えれば、手間を惜しんではいられません。

家具店などで素敵だと思った家具でも、実際に住まいに配置してみると、狭い室内には大きすぎたという話はよく聞きます。家具店の大空間ではさほどでもなかった家具も、普通の住宅の中では、思いがけず大きく見えます。また、室内は家具を配置するスペースではなく、人間が生活する空間です。家具に占拠されてはつまりません。


●空間と家具のサイズ

【事例】ある別荘の事例です。
かなりの豪邸で、玄関ホールを過ぎると吹抜けの空間があり、階段がゆったりと取り付けられています。電気店の友人から、高価なシャンデリアを吹抜け部分用に、購入したそうです。本人も取り付けるのを楽しみにしているようでした。残念ながら天井高6mもある大空間には、サイズ的にあまりに小さく滑稽にしか見えません。照度面でも天井付近を明るくする程度で、中途半端です。このように照明器具や家具という「モノ」から考えると失敗します。特に吹抜けや高い天井などの立体的に大きな空間の照明器具や家具の選定は難しいものです。

工事が完了して室内に入れるようになってから、自分で家具を選ぶ場合は、図面上の検討のほかに、巻尺・ローブ・ダンボール・ガムテープなどを持参して、適当な家具のサイズはどれくらいか実際にその場でレイアウトしてみると、いろいろ発見があると思います。ダンボールは30㎝程度の正方形にカットしたものをいくつか用意し、適当にガムテープでつなぎながら試してみれば、おおよそのボリュームが確認しやすいです。平面だけの確認だったら、新聞紙を広げて、カットしながら家具の大きさに繋げていっても大丈夫です。紐などで形を作ってもOK。とにかく手間を惜しまないことです。


●家具の選び方

「婚礼セット」「ソファーセット」…など、日本人は家具を「セット」としてイメージしがちです。ダイニングも、テーブルと椅子をセットとして購入するのが一般的なようです。加えて、新しい住まいへの引っ越しともなれば、家具も一新したいと考える人も多いようです。しかし、良いものをしっかり選び、現在あるものを工夫するよう努めれば、物も増えず、本当に必要な家具だけの心地よい空間が作りやすくなります。さしあたり手持ちの家具を利用したり、簡単に手作りしたりして、住みながら生活スタイルに最適な家具を気長に探していくと良いと思います。

【事例】我が家のリビング・ダイニングテーブルの事例です。
我が家のダイニングテーブルは、2.5cmの厚みの合板と市販のスチール足を組み合わせた手作りです。たたみ一畳以上の大きさがあり、いろいろなことができます。普段は白い床用のクッションフロア材を置いて使っています。工作をしようが、習字をしようが、気にせず使えます。来客の際には、専用のテーブルクロスを上からすっぽり掛けるだけで足ります。リビングのセンターテーブルは、学生時代に使っていた製図版にラッカー塗装し、市販のアングルで枠組みした上に乗せています。友人は有名な輸入高級家具と間違えてくれました。ソファーは市販のものを使用していましたが、中のウレタンが劣化したのを機に処分し、今は発砲スチロールのブロックと打合せテーブルの天板を再利用した長椅子を使っています。なにも手作りに意味があると言いたいのではなく、必要だった大テーブルは、市販で気に入ったものや必要な機能のもの、手頃な値段のものがなかった結果なのです。「インテリアの基本-3」にQ&Aでも説明しましたが、まずは既存の家具を最大限活用する方法をとことん考えると、購入する時も良いものが選べると思います。


●家具の配置
 
Q&Aの欄で説明したように、家具を実際に図面上でいろいろとレイアウトしてみましょう。家具どうしの距離やスペース、必要な通路の幅などは、今ある家具に実際に座ってみたりしながらベストの寸法を決めます。室内の空間は家具で埋めるためにあるのではありませんので、家具の数倍の余白がないと窮屈な感じとなってしまいます。(家具が室内を占拠してしまうと窮屈な感じになってしまうので、空間に家具の数倍の余白を作るようにしましょう。)一室にリビングとダイニングがある場合は、低めで大きなサイズのダイニングテーブルを選べば、充分にくつろぎのスペースを生み出すことができます。その分リビングに必要な家具は少なくて済みます。ゆったりとした空間であれば既存の家具も、適当な距離を確保でき、違和感なく配置しやすくなります。
もし、間取りの検討からスタートするならば、廊下などに面して収納を作り、使用頻度の少ない家具も収納すると、露出家具も少なくなり、インテリアとして整えやすくなります。

家具はかさ張る大型の消費財であり、価格も安くはありません。一旦購入してしまうと、長くその家具に縛られます。それだけに、とりあえずの家具を安易に増やさないこと、良い家具を気長に探すこと、快適に暮すための労力を惜しまないこと、日々、快適なインテリアにするための創意工夫を忘れないことなどが大切です。

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