MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

『エクステリアの基本』-3 植栽計画[question]

:住まいにとって植栽はどのような効果があるのですか。また、せっかくの戸建住宅なので、緑も美しく整えたいと思います。

:植物は人を楽しませるだけでなく、暮らしにも住まいにも驚くほどの役割をもっています。新築の際は、設計当初から植栽計画を平行して考えることをお勧めします。

 
 

森林浴という言葉があるように、植物は人間に不思議な力を与えるようです。効果の多くは目に見えませんので、日頃あまり意識しないかもしれませんが、どんな効用があるのか、樹木をどう利用するのかを考えてみましょう。


●植栽の機能と効果

1.温熱環境等を整える

◇音を拡散…樹木は音を拡散させてくれます。同時に、枝の鳴る音や葉のさやぐ音、実がなる木であれば小鳥のさえずりなどの自然音が、人工の音を和らげる効果もあります。

◇空気の清浄…二酸化炭素を吸収してくれるだけでなく、枕に鉢物がいくつかあるだけで、かなり空気が浄化されるようです。

◇風のコントロール…防風林という言葉があるほどで、土埃の飛んでくる方向などに樹木を密集させて植えると良いです。

◇光と熱のコントロール…落葉の樹木を上手に配置すると、夏場は木陰を提供してくれ、冬は葉を落として日光を遮りません。窓辺の藤棚やぶどう棚も同じ効果です。見た目も涼やかな上に、温度もコントロールできます。

◇土の乾燥防止…芝や地被類で地面を覆うと土埃の防止ができ、夏の地表面温度も下げてくれます。

2.美的効果

◇楽しむ…好きな花や実を愛でるだけでも十分楽しいものです。ガーデニングがブームですが、見たり食べたり飾ったりと、生活を豊かにしてくれます。庭いじりをしているだけで幸せという人も。

◇植物の癒し効果…1/fのゆらぎ効果というのがあります。水面のゆらぎやろうそくの炎など、自然界の動きには機械的でない心地良いゆらぎがあります。風にさやぐ木々の音や枝葉の動き、ゆっくり舞い落ちる花や葉など、植物はいろいろなゆらぎ効果を与えてくれます。

3.環境への寄与

◇視線を遮る…生垣で視線を遮ったり、見たくないものを上手に隠したり、室内からの景観を整えたりすることができます。

◇周辺環境の向上…コンクリートブロックの塀より、生垣の緑の方が心地良いに違いありません。多くの緑は周辺地域の価値を高めてくれるだけでなく、木々の成長と共に、より豊かな街並みに変化していきます。

◇建物を美しく見せる…適度に木々に囲まれた住まいは、温かみを感じるさせてくれるものです。

◇防火・土壌の侵食・乾燥防止…阪神淡路大震災の時、小公園のほんの少しの緑が延焼を食い止めてくれたそうです。たとえ公園がなくても四辻に面する4軒の家の角に樹木を植えるだけで、こんもりとした緑になります。6m道路だと6m四方以上の公園に4本の木が植わっているのと同じことになります。


●樹木の分類と利用

◇シンボルツリー…1本の樹木は、建物にいろいろな表情を与えます。子供のころ、大きな木にまつわる思い出がある方も多いでしょう。大きな木は日々の営みの中で四季による変化など物語を紡ぎだしてくれます。落葉樹で日差しを調節したり、新緑や花や紅葉を楽しんだり、常緑でみずみずしい緑を愛でたりするのも良いものです。
また、敷地が狭いため、互いの駐車スペースの間に垣根を作らないようにして乗り降りの便宜を図っている建売住宅をしばしば見かけます。こんな時には、隣と共同でシンボルツリーを植えると、狭い建売住宅でも潤いが生まれると思います。
難しい問題もあるとは思いますが、隣家と共同で境界線に樹木を植えるのも良いでしょう。広い庭の真ん中に植えるのでなければ、枝葉が隣家の敷地に伸びることも多いと思います。後でトラブルになりそうなら、初めに話し合っておくとメリットも大きいでしょう。

◇中木…常緑の中木は道路や隣地からの目隠しになります。花や葉を楽しめるものは、室内から窓を通して見えるように窓の付近に配置すると、季節を感じられるばかりか陽射しのコントロールにもなります。

◇低木…中木の足元をカバーして目隠しにしたり、屋外機などを上手に視線から隠したり、低木は便利なものです。花物も多いので、花が咲く季節の異なる木を交互に植えれば、季節ごとに楽しめます。

◇地被類…芝などの地被類は、夏場の地表面の温度を低く保ち、土の侵食や埃を防ぐ効果があります。車庫を一面コンリートにせず車輪の下だけにとどめたり、専用の緑化マットを利用して地被類を保護すれば緑の面が増えます。フェンスの基礎部分や門なども常緑のツタなどで覆うと、立体的に緑を楽しむことができます。

◇草花・野菜など…単に庭の草花を愛でるだけでなく、食材にしたり、花瓶に挿したり、生活を豊かにすることもできます。スペースに余裕がない場合は、少量でも効果の高いハーブや香味野菜(紫蘇・パセリ・山椒)などを植えるのもお勧めです。料理のアクセントに使ったり、お茶にしたりと重宝します。


きっちり剪定(せんてい)した庭、育つがままの庭、果実や野菜の収穫を目的とした実用的な庭、それぞれ好みもいろいろあると思いますが、生活する上で植物の効用は計り知れません。子供の誕生を期に樹木を植えれば、その成長と共に家族の物語も作られていきます。是非住まいに植栽を最大限ご活用ください。

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