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『インテリアと照明-2』 明かりの基本的演出 [question]

前回の「インテリアと照明-1」では、照明の基礎知識として、個々の照明器具の種別、特徴や明かりの役割、性質などについてまとめました。今回は、「インテリアと照明-2」として、照明をどのように組み合わせて使い、演出、表現すればよいか考えてみます。

光の配分と演出

日本の住まいは、部屋全体を照明で目いっぱい明るくする傾向にあります。前回も少し触れましたが、天井にじかに照明を取り付けたり、天井からコードで下げたりして、全体を明るくしがちなのです。その反面、ヨーロッパの住まいは原則石造りですので、構造上壁面が多く、小さな窓(壁をくりぬいた部分)がいくつも作られています。こうした小さな窓であれば、明るい窓辺と暗い部分の差ができ、室内にいろいろな表情の場を作ることができます。一方、日本の伝統的住まいの窓は、「間戸」(柱と柱の間)の役割を担い、柱と柱の間が原則開口部になっています。こうした違いが、夜間の照明にも影響しているといえます。

◇一室多灯の効果
それぞれの部屋が、複数の機能を持つ場合があります。特にリビングは、くつろぎの場としてだけでなく読書や勉強など、さまざまな用途に使われます。また、一つの空間で家族それぞれが別々のことをする場合もあるでしょう。このような場合、主となる照明と補助照明を組み合わせると、場面に適した機能的な環境を整えられます。また、補助照明の組み合わせで、いろいろな雰囲気を演出することも可能です。局部照明だけでは光のコントラストが強すぎて目の負担になるので、勉強部屋も、ある程度全体を明るくしたほうが負担が軽くなるでしょう。

◇照らす場所の工夫
天井を明るくすると、空間の広がりを演出できます。また、反対に天井の明るさを抑えれば落ち着きのある空間となります。ホテルも大勢が集うレセプションルームなどは、シャンデリアが煌々としていますが、バーの天井の照明は明るさがかなり抑えられています。したがって、住まいの主寝室の天井灯は、ダウンライト程度で良いでしょう。

◇照らし方の違い
全体に拡散配光・・・ 全体を柔らかく明るくする。まぶしくならず、穏やかな雰囲気になる
直接配光… 光が下方に強く届くもので、特定の場を強調したり、明るくしたりできる
間接配光… いったん天井や壁面に光をあてて、反射光のみで周りを明るくする方法
半間接配光… 直接下方を照らす光のほか、一部の光を壁面や天井に当て、周囲を明るくするもの

◇影の演出
同じダウンライトでも、電球の選択によって、より広い範囲を明るくしたり、狭い範囲を強調したりと幅広い選択があります。光の演出は、影の演出でもあります。どこを明るくするかと同時に、どこを暗く落ち着いた雰囲気にするかもあわせて考えれば、上手にライティングコントロールができるでしょう。


調光とリモコンの活用

インテリアと照明-1」で述べたように、明かりは自然の摂理と深い結びつきがあります。眠くなるにつれて、次第に照度を落とすと快適に休息できます。一室多灯でコントロールする場合は、コントロールスイッチなどをまとめると良いでしょう。また調光で徐々に照度を絞っていく工夫を取り入れると、安らぎタイムへの移行がスムーズです。特に寝室はベッドで操作できるようにリモコンと調光の活用は不可欠です。


メンテナンス

照明計画において、メンテナンスは非常に重要な要素です。いつでも安全に電球を取り換えられ、シェードを清掃できなくてはなりません。特に高齢になったとき、脚立を使用しての電球交換は難しくなります。天井灯などは、一つの照明器具が大きいとカバーだけでも相当な重量があります。そこで、あまり一つのサイズを大きくしないか、昇降装置付きの器具を考えましょう。デザイン性の高いものは、電灯の球が切れやすい傾向にあり、特に新商品は要注意です。蛍光灯と白熱灯の光の性質や寿命、メンテナンス性を考えあわせて、適材適所に配置することが大切です。


このように照明による演出範囲は、非常に広いものがあります。家具や小物に頼らず、「照明で空間構成をする」くらいに考えておくと、すっきりとしたインテリアになります。物を足して表現するのではなく、削ぎ落として表現するのが、本当のインテリアデザインだと思います。また、そうしたデザインがシンプルで豊かな暮らしを作り出すのではないでしょうか。インテリアデザインを目指すにあたり、ライティングコントロールは重要な位置を占めているのです。

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