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『住まいの祭祀-3』 地鎮祭(じちんさい)[question]

住まいに関する祭祀の中で、地鎮祭(じちんさい)は上棟式に並びポピュラーなもので、執り行われる割合も高いようです。式典の後、地縄張り(じなわばり)の確認を行うことが多いからでしょうか、比較的簡素な式典になり、おおむね吉日の午前中に行われます。地縄張りとは、建築予定地に縄(実際は専用の糸・テープなど)を張りめぐらせて、建物の配置を確認することです。地鎮祭の後、施主や設計士、工事関係者が、この地縄張りにそろって立ち会うことが多くあります。

地鎮祭とは

地鎮祭とは、土地の神々の御霊を鎮め、工事の安全と末永い加護を願う祭祀です。ほとんど神式で行いますが、寺や教会を建てる時も独自の式典があるようです。地鎮祭を執り行うかどうかは基本的には施主の考え次第ですが、地域のしきたりを鑑み、工事店と相談して判断するのが良いでしょう。終了後に建物の配置確認や工事を同時に行うことから、今では神主の音頭による清めの乾杯だけで済ますことがほとんどのようです。参加者は神主、施主、工事関係者、設計関係者などです。


どこに依頼すればいいの?

住宅メーカーでは、施主の便宜を図って、通常神社などと提携していることが多いようです。住宅メーカーが必要なもの一切を用意してくれる場合や、工事店がしめ縄、斎竹、斎砂を手配する場合もあるようです。ときには、「お供え物だけはお施主様がご用意ください」と言われることもありますが、お供え物は近くの店で手に入るものばかりですので心配は要りません。

「全てお任せ」してしまえば、施主は現地に手ぶらで出向くだけ、ということも可能でしょう。しかし、せっかくお金をかけて式典を行うのであれば、何かしら気持ちを込めて執り行いたいもの。この機会に近隣の神社に直接依頼して、近づきになるのも一つの方法です。今後その地に代々住み続けるかもしれませんし、初詣、種々の祈願、子供のお宮参りや節句の数々、神社にお世話になることはいろいろあります。遠くの大きな神社へ出向くのも良いですが、近くの神様とお近づきになるのも悪いはずがありません。


式典の流れ

《お供え物の例》
お酒1.8リットル、洗米3合、塩1合
山の幸・・・果物3種
海の幸・・・昆布、するめなど3種
畑の幸・・・野菜3種

《近隣へのあいさつ》
解体工事を行わず、近隣へのあいさつがまだの場合は地鎮祭前に行います。
工事関係者もそろっていますので、一緒に出向いてまわるのが良いでしょう。

《式典》
修祓(しゅうばつ)の儀・・・
心身ともに清め、神様に近づくために頭を下げてお祓いを受ける。

降神の儀・・・
神主が祝詞を奏上し、神様をお迎えする。

献饌(けんせん)の儀・・・
お神酒を入れた器のふたを取る。
お供え物を供えるのが本来だが、現在は予め備えてあることが多く、略式化している。

祝詞奏上(のりとそうじょう)・・・
工事の安全、土地の加護を願って祝詞を奏上する。参列者は頭を垂れて祈願する。

四方祓いの儀・・・
お神酒・米・塩・白紙等を敷地の中央や四隅にまいてお祓いをする。お酒だけの略式もある。

鍬入れ・・・
施主が鍬で3回土をすくう動作を行う。続いて工事責任者が行う。本来の地鎮の儀のかたち。

玉串奉奠(たまぐしほうでん)の儀・・・
玉串を奉奠する。施主、設計者、工事責任者の順で行う。

撤饌(てっせん)の儀・・・お神酒のふたをする。

昇神(こうしん)の儀・・・神様のお帰りのための祝詞を奏上する。

神主への御礼・直会等・・・
神主へのお礼は、奉書・のし袋・白封筒などで包み、表書きは「玉串料」「初穂料」「御神饌料」など。
参列者へのご祝儀が必要な場合は「御祝儀」とする。

ご祝儀等・・・
セット価格で3万~5万円程度。神主の送迎が必要かどうか、参会者へのご祝儀の風習の有無、直会(なおらい)の風習の有無などを工事店に確認。地鎮祭ではご祝儀や直会は行われないのが一般的。

祭祀を行う以上、事前に内容や段取りを勉強しておいた方が、より気持ちを込めて執り行いやすいと思います。参列する設計者や工事関係者も、施主が真剣に祈っているのを目にすると、より敬虔な気持ちになるものです。

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