
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
今回は、『町家づくりに学ぶ』シリーズの最終回です。
長く培われた暮らしのスタイルやそれに基づいた住まいの形は、現代の私たちも学ぶべき良さをいろいろ持っているもの。
町家の暮らしの精神を現代の暮らしにどう生かしていくか…。 脈々と受け継いだ洗練された造形だけでなく、造形に込められた知恵を生かすためにはどうすればよいでしょうか。
『町家づくりに学ぶ』シリーズ3回目は、建物内部の工夫について取り上げてみたいと思います。
町家の内部といえば「通り庭」、「中庭」が有名ですが、
今回は、あまり取り上げられることが少ない「箱階段」を中心にご紹介します。
格子は、町家の外観デザインや街並みの形成上、非常に重要な要素のひとつです。また町家は直接建物が通りに面していますので、格子が防犯やプライバシーを守るのに必要なアイテムともなっています。
このように、格子は一見「外と内」とを分断するようですが、実際に室内から格子越しに通りを眺めてみると、単に遮断するだけではないその特性が見えてきます。そこには、地域のコミュニケーションに寄与する部分もあるようです。
町屋とは、つまりは町中の庶民の住まいのことを指します。庶民の住まいそれぞれに独自のスタイルがあり、それらが連なって美しい街並みを形成しているのです。
また、町家のスタイルはその地方独自の風土や社会、風習、歴史に基づいたものになっているはずです。だからこそ長く町家のスタイルが残り、人々はそこで代々暮らし続けてきたのでしょう。今回は、そんな町家のあり方から、長く暮らし続けるためのヒントを探っていきたいと思います。