MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

『SOHOスペースを活用する-2』 家族のスタディスペース[question]

前回は、「SOHOの必要性と意味」と題して、大人にとっても子供にとっても、住まいにおける仕事や学びの場の新しい形が必要ではないかと考えました。新しい形といっても、要するに何らかのデスクスペースがあればよいのです。
とはいえ、家庭は団らんや心身の休息の場でもあります。相反するような二つの機能を、どのように住まいの中に取り入れていけば良いのでしょうか。


◇新しい団らんとリビングの形

子供が自室に閉じこもってしまう問題が指摘されて久しいですが、大人まで仕事や勉強のために自室にこもりっきりになってしまっては、良いはずがありません。そこで、家族の団らんを兼ねて、大人と子供、一緒に学んだり、作業したりしてみるのも得策です。大人も子供も、休息と集中スペースを両立できるような間取りの工夫が大切になります。

以前はどの家庭も下図(左)のようなソファーセットが、リビングに鎮座していました。しかし日本の住まいも広くなったとはいえ、ソファーセットを置くと場所に余裕がなくなってしまうのが現実ではないでしょうか。そのような場所にスタディスペースを組み込むのは、容易なことではありません。

また、下図(左)のような配置だと(またはL型配置でも)互いの距離が近く、子供が幼児期でない限りは、わずらわしくなりそうです。
団らんのポイントは「気配」です。必ずしも家族全員で同じことをしている必要はありません。例えば下図(右)のようにソファーで新聞を読む人、肘掛けに座ってイヤホンで音楽を聴きながらお茶を飲んでいる人、スタディスペースで勉強する人、互いが視界には入らなくとも、そこにいるのがわかる…。
こんな風に、リビングの中にいろいろな「居場所」があると、家族それぞれが好きなことをしながら、共に過ごす楽しさもあるのではないかと思います。


新しい団らんとリビングの形


◇押入事務コーナー

下記の図は、1間間口の押入スペースを事務コーナーにする案です。間口いっぱいにデスクを作りつけ、正面の壁には本棚があると便利です。デスクの下には、書類を入れるキャビネットや周辺機器を収納するシェルフを組み込みます。キャスター付きのものにすれば、サイドテーブルの役割も果たします。本格的なサイドテーブルや打ち合わせテーブルが必要な場合は、下図(右)のように一回り小さいサイズのテーブルを組み込むと良いでしょう。

扉があることによって、雑然としがちな事務コーナーをすっきり収納することができます。扉を閉めるだけで、団らんの際にはそれが目につかないようにすることができますし、来客などの際には仕事上の機密事項を守ることにもつながります。またちょっと目を離すときでも、危険な事務機器などからペットや小さい子供の安全を守ることができます。オープンスペースのデスクの一角を扉付きにしたり、収納と連続させてすっきりまとめたりと、アレンジはいろいろ考えられます。


押入事務コーナー


◇寝室まわりのスタディスペース

続いては、寝室前の廊下などを広くとって家族の勉強用スペースとする案です(下図:左)。こちらの案は、リビングのTVなどの音を遮断できるというメリットがあります。
ただし、家族の団らんという点では、何かしらリビングともつながりを持たせた方が良いでしょう。例えば下図(右)は、2階の寝室前のホールを利用したスタディスペースで、リビングと吹抜でつながっています。その他にも、中庭を挟んでリビングとスタディスペースが見渡せるとか、リビングとスタディスペースをガラスで遮断する方法などが考えられるでしょう。


寝室まわりのスタディスペース


これからの住まいを考えるにあたって、今までの居室の数+LDKという定型パターンでなく、その家族なりの団らんのあり方、勉強のあり方、また子供の教育への考え方などに適したオリジナルの間取りが重要視されてくると思います。
サラリーマンの子供は、親が働く姿を見て学ぶことができません。これは子供の健全な成長にはかなり残念な点です。しかし、スタディスペースがあれば家庭で親が一生懸命学んだり仕事をしていたりする姿を見せられる、絶好の場となります。グローバル化の時代を生き抜く自主的な子供を育てる上でも、家族のスタディスペースは今後、さらに大きな意味を持ってくるのではないでしょうか。

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