MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

『住まいとユニバーサルデザイン-2』 設備[question]

住まいの中のユニバーサルデザインに関しては、「世界中の万人に分かりやすい」ものである必要はないかもしれません。しかし、無防備な状態で長く過ごす住まいにおいて、体格、理解力、身体能力に違いのある家族全員が安全に、快適に利用できるデザインはとても大切です。特に設備や機器類は次々に新たなものが登場し、高機能で複雑化しています。
今回は、主に水まわりの設計や、高齢者の住まいにおける工夫について考えていきます。


◇洗面・脱衣室

ある女性芸人と、やはり芸人である姑のやり取りがTVで繰り広げられていました。その中で「お義母さんは洗面台の周りをいつもびしょびしょにする」というくだりがありましたが、これは背の低い姑にとっては洗面化粧台の高さが高すぎて、手にすくった水が腕を伝ってこぼれてしまうためです。

逆に背の高い人にとって、低い洗面化粧台は腰を痛めてしまいます。子供のための踏み台が組み込まれているものもありますが、家族全員に快適な洗面化粧台はなかなか難しいものです。


洗面・脱衣室


◇浴室

最近はユニットバスが多く使われますので、機器としては安全に、快適に工夫されています。個別に設計する場合は、いろいろ配慮すべき点が多い場所です。主なものとして、以下の2点に注意するとよいでしょう。

<安全面>
 ・滑らない床材やバスタブの床面
 ・安全に入浴できるバスタブのサイズや高さ、手すりの設置など
 ・出入りを制限するチャイルドロック

<快適面>
 ・誰もが快適に利用できるよう、高さが自在に調節できるシャワーヘッド


◇キッチン

キッチンは火気があり、刃物があり、電化製品がたくさんあります。危険なパーツが多いだけに、誰もが安全に使うのは難しい部屋です。
わが家の例ですが、たまに来る母は洗った包丁を水きり棚に載せる癖がありました。しかしその位置は私の目の高さと同じです。近眼の私は、突然目の前に刃先が現れてぎょっとします。母と私はかなり背丈が違うので、なかなかその危険が理解されないのです。

キッチンは、多くの危険がひそんだ場所とも言えます。キッチン用具の選定や配置、日々の管理は、そのような状況が起こりうることを想定して考える必要があります。また、今や男性も料理する時代ですから、子供のころからキッチンに親しませ、料理の知識を身につけさせたいものです。


キッチン


◇高齢者と設備機器

高齢になるほど住まいにいる時間が長くなり、機器類に頼る頻度も高くなります。特に活動が制限されてくると、ベッドまわり等にいろいろな機能を集中させる必要が生じます。一つ一つの機器は快適でも、それら全体が集まったときに使いやすくするためには、間取りや設計面でも工夫が必要でしょう。

<リモコン>
体の自由が利かなくなればなるほど、リモコンは重要なアイテムです。しかし私たちの家庭には一体いくつのリモコンがあるでしょうか。とりわけ高齢者の住まいでは、狭いところにいろいろな機器が集中しがちで、リモコンの誤作動や操作性、紛失の心配など、問題が山積みです。万が一のことが起こらないよう、それらをしっかり管理することが大切になってくるでしょう。

<照明>
目の機能が衰えている高齢者にとって、一定の明るさは必要です。しかしあまりに明るすぎると、強いまぶしさを感じます。また、安らぎのある室内のためには白熱灯が良いのですが、黄色い色調は白内障患者にとっては、一層ものが見えにくくなります。

家族全員が利用する設備まわりは、快適に過ごせる照明づくりの配慮も重要です。複数の照明を適所に配置することでまぶしさを軽減させ、必要な明るさを確保しつつ、安らぎのある空間を作ることができます。


高齢者と設備機器


私たちの暮らしにおいて、今後も設備機器に頼る頻度は増す一方でしょう。高齢になるとなおさらです。個々の設備や機器の安全面、使い勝手を考えるのはもちろん、全体として使いやすくするデザインの工夫も欲しいものです。

同時に、住まいとしてそれらを統括した設計としてのユニバーサルデザインも必要です。さらにいえば住まいの中では、公共の場とは異なる“家族にやさしい”配慮を、日々の暮らしの工夫としても考えたいものです。

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