MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

『知っておきたい住まいの法律-1』 安心のための法律[question]

「法律」と聞くと、難しくて専門家に任せるもの、と思われるかもしれません。しかし、日々の生活に直結する法律は、知っておかないと損をする場合や、逆に知っていることでトクをすることがあります。住まいの法律に関しても、例外ではないでしょう。
住まいの取得に失敗しないために、また少しでも有利に取得できるように、法律の知識もしっかり理解しておくことが大切です。今月は2回にわけて、「安心のための法律」と「トクする法律」について、まとめてみます。


◇必要な性能を確保したい⇒「性能評価制度」

2000年4月施行の『住宅の品質確保の促進等に関する法律』では、下記の事項が制定されました。

 1.住宅性能表示基準及び住宅性能評価制度の創設
 2.住宅紛争処理体制の整備
 3.新築住宅の請負契約または売買契約における瑕疵担保責任の特例

「この住宅は耐震性能が高いです」・・・といっても、基準となるものがなければ、本当に性能が良いのか、またどの程度良いのかは判断できません。そのために住宅性能表示基準が定められ、現在10項目の性能表示項目が設定されています。

性能表示項目

この制度を利用すると、希望する性能を満足する設計を依頼し、審査を受け、「設計住宅性能評価書」の交付を受けることができます。
また、施工・完成段階での所定の現場検査を受けると「建設住宅性能評価書」が交付され、同時に万一トラブルが発生すると、指定の機関に紛争処理を申請することができます。


◇入居後に不具合が見つかったら?⇒住宅瑕疵(かし)※1担保履行法

上記の『住宅の品質確保の促進等に関する法律』では、新築住宅の請負人又は売主は、新築住宅を引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分などの隠れた瑕疵につき、民法で定める請負人(売主の場合は請負人と同等に考える)の担保責任を負う、という特例が定められました。

それ以前も住まいの瑕疵担保責任に関する法律は、民法を初めとしてさまざまな取り決めがありました。しかし、昨今話題になった耐震偽造問題からもわかるように、売主が倒産してしまうと、買主は補修・建替えには二重ローンなど多大な負担を余儀なくされます。

このようなリスクを避け、安心して住まいの取得ができるように、『住宅の品質確保の促進等に関する法律』に定められた瑕疵担保責任が確実に履行されるように、2009年10月1日から、『住宅瑕疵担保履行法』が施行されることとなりました。

下記の図のように、万一新築の住まいに補修を必要とする瑕疵があった場合、その補修の履行を万全にするために、売主・請負人に保険の加入又は保証金の供託を義務づける法律です。瑕疵担保責任を履行するための資力確保を図り、倒産や責任不履行にも対処するものです。対象となる部位は構造上重要な部位や、雨を防ぐのに重要な部位などに限定されます。


【住宅瑕疵担保履行法のしくみ】住宅瑕疵担保履行法のしくみ
※点線のルートは売主・請負人等が倒産、責任不履行時等の場合です。


売主や請負人は、住宅の建設や販売の際に、資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)が義務づけられます。


※1 瑕疵担保責任とは
瑕疵とは簡単に言えば欠陥のことで、売買または請負契約の目的物に隠れた瑕疵があった場合に、買主又は発注者が追求しうる売主又は請負人の責任を言います。
本来、瑕疵担保の規定は任意で、必要であれば契約書に詳細を明記します。ただし新築住宅の場合は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」による特例規制があります。


今回の法律制定で、安心のもとに住まいづくりができる基盤がようやく整ったといって良いでしょう。しかし住まいを購入する側も、これらの法律をしっかり理解し、自分達の住まいに必要な性能をきちんと選択したうえで、本当に瑕疵担保責任に関して資金保全の措置がとられているかを確認することが大切です。

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