
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
住まいづくりに必要なのは、建物にかかる費用だけではありません。実にさまざまな、細々とした費用が必要です。あとから「こんなはずでは…」と頭を抱える事態にならないように、いつどのような費用が、どの程度必要かを把握しておきましょう。
総費用を把握することは、後々あわてないためだけではなく、最も大切なものに予算を配分するようにするための大切な過程です。政府の“事業仕分け”が話題になっていましたが、必要な項目をリストアップして、ムダを省いていくのと似ています。
◆住まいづくりの総費用一覧表を作ろう
文末の表は、住まいづくりに必要な費用の一覧表です。場合によっては、不必要な項目や記載以外の特別な費用が必要なケースもあります。一覧表を作りそれぞれの項目の費用を算出することのメリットは、全体の費用を把握するという目的以外に、おのずと優先順位やそれほど重要ではない項目が見えてくる点です。節約しやすい項目、絶対にはずせない項目が一目瞭然となり、それがムダのない、より良い住まいづくりにつながります。
また、実際に設計や工事に着手してみると、誰の責任でもない不測の事態が発生する場合もあります。そのため、ある程度の予備費を組み込んでおくと安心です。金額は個々のケースで大きく違いますので、自分で計算することが大切です。
専門的な項目は、メーカー等に算出してもらいましょう。
◆用意できる資金と借入可能金額を知る
所得などから借入可能金額を算出する方法もありますが、生活感覚を生かしてより現実的に、毎月返済可能な金額から、借入可能金額と住まいの取得に使える総予算を算出してみましょう。
1. 毎月返済できる金額から借入可能金額を算出
毎月返済できる金額=家賃+駐車場代+毎月の貯金額から返済にまわせる額
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2.返済期間(定年前に完済が望ましい)とその時の金利の算出
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3.住宅ローンの借入可能金額を住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)や
銀行のシミュレーションサービスでチェック
【事例】毎月返済可能額12万円・30年返済・金利3%とすると、2,846万円借入可能となります。
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4.自己資金を算出する
自己資金=預貯金の中から拠出できる額+これから貯金できる額+親などから資金提供可能な額
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5.自己資金+借入可能額=建設・購入価格+諸費用・付帯費用
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6.資金不足の場合は、下記の方法等で再シミュレーションを行う
自己資金を殖やす/返済期間を延ばす/より有利な金利、優遇措置などを探す/時期を遅らせる/予算を減らす
◆入金と出金のスケジュール表を作成しよう
私は住宅の営業をしていたこともありますが、住まいづくりに必要な全ての費用の概算と、予備費を算出したものをお客様に提示して、無理のない住まいづくりをご提案していました。このことが、お客様の安心にもつながったと思っています。
それぞれの項目の費用は、同時期に必要なものとは限りません。思い立ってから入居した後まで、幅広く出金の時期の分布があります。スケジュール表を作れば、必要なときに必要な資金を準備でき、あわてて不利な条件で預金を解約することなども避けられますし、優先順位が低い項目は先送りすることもできます。
また目標が具体的になる分、思いがけない節約ができ、新たな資金が殖やせる可能性があります。
総費用を見て予算を削減することだけを考えるのではなく、逆に安心して予算を殖やしていくことも大切です。
次回は、住宅ローンの選び方について考えてみましょう。
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