
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
住まいづくりに必要な総予算を算出し、適正な予算組みと配分がなされたあとは、なんといってもローンの選び方が重要なポイントになります。
将来のリスクを少なくするためには、どのようにローンを組めばいいのか、考えてみましょう。
◆住宅ローンの種類
【住宅ローンのタイプ】
・一般住宅ローン
通常の民間住宅ローン。
・証券化ローン
「フラット35」のように、金融機関が販売した住宅ローンの債券を買い取ったりして証券化し、投資家に販売することによって銀行のリスクをなくし、長期固定の住宅ローンを可能にしたもの。
・財形住宅ローン
財形貯蓄を一定範囲行っている場合に借り入れられる融資で、低金利。
・自治体の住宅支援
各自治体でも、低金利で住宅支援を行っている場合があります。
・預金連動型住宅ローン
普通預金残高分の住宅ローンの金利が0%になる住宅ローンです。
3,000万円の住宅ローンを借り入れて、500万円の預金残高があれば、2,500万円分にのみ実金利負担が生じる仕組みです。
繰り上げ返済して、ローン残高を2,500万円にした場合と比較すると、手元に500万円の現金が残るので、万一の時に安心です。
・出来高払い住宅ローン
原則として、住宅ローンの融資は建物が完成して登記された後に実行されます。契約金、着工金、中間金などは、自己資金かつなぎローンを借り入れる必要があります。
しかし、出来高払いの住宅ローンは、部位ごとの完成後にチェックが行われ、その部分の融資が実行されるローンです。しっかりした契約や設計図書が義務付けられ、その都度検査されるので、品質面が安心なだけでなく、支払った部位は確実に自分の持ち物になるので、倒産のリスクに対しても安心です。
その他にもまだあります。
サブプライムローン、ノンリコースローンという言葉も、大きな話題になりましたが、それは別の機会に。
【金利の種類】
・変動金利
現在の低金利状態の恩恵を受けられますが、金利上昇のリスクもあります。金利が上昇した場合、毎月の返済額が一定範囲に抑えられたとしても、本来の返済額との差額は元金に編入され(または未収利息として、返済終了後に一括徴収される場合もあった)借り入れが増えることになるので、金利上昇には常に注意が必要です。
・固定金利
返済額が一定なので、将来の生活設計が立てやすくなります。ただ、現在の低金利が長く続くと割高感があるかもしれません。
・選択型
一定期間固定金利で、その後変動金利に移行するものや、一定ルールのもので選択できるものなど、銀行によって様々なタイプがあります。
【元利均等返済と元金均等返済】
・元利均等返済
通常の返済方法は元利均等返済で、金利に変動がない限り、月々の返済額は変わりません。
しかし、当初は毎月の支払額の大半は利子分が占めるため、なかなか元金は減少しません。
・元金均等返済
元金を均等に返済しますので、当初の返済額は多くなりますが、しだいに月々の返済額は減少していきます。総返済額も、元利均等返済よりは抑えられます。
100万円を金利3%で30年返済の場合、元金均等返済は元利金等返済と比較して総返済額が約50万円節約できます。
◆ローン比較のポイント
ローンを比較する場合は、表面的な金利だけでなく、トータルで有利なものを判断する必要があります。また、自分自身の返済スタイルに見合った条件選び(例えば、細かく繰り上げ返済する予定など)も大切です。
・金利
注意すべき点は、変動金利を選択した場合は、現在の低金利を基準に生涯収支を考えないことです。
金利上昇のリスクがありますので、余裕を持った返済計画とし、繰り上げ返済で将来の金利上昇リスクを低減するのが得策です。
・融資手数料
一律か、融資金額に対するパーセント設定か。
・団体信用生命保険料
金利組み込みか、別立てか。
・保証料
保証料の有無と、その金額。
・繰り上げ返済手数料・一回の金額・その他条件
ローンによって異なります。チェックしておきましょう。
・返済方法
変動金利と固定金利・及びその組み合わせと、それに伴う手数料や条件・元利均等支払いと元金均等支払い。
・各種優遇措置等
日常的に使っている銀行の特典や、優遇措置などを調べてみましょう。
◆自分流の住宅ローンの組み立て
どのような住宅ローンがふさわしいかは、人それぞれです。数千万円の借入をするわけですので、生涯収支表を作成して、長い目でリスクの少ない借り方を見つけるのがベストです。自分でいろいろな借り方のシミュレーションをしてみるといいでしょう。
さらに、借り入れた後の日々の管理も大切です。
下記の表は、3,500万円を借り入れた場合の固定金利と、ネットバンクの変動金利の比較をシミュレーションしたものです。この表はエクセルで簡単に作れるよう、まとめたものです。多少の誤差は生じますが、将来の金利の上昇結果も加味できる作りになっています。毎年、経済状況と照らし合わせて予測しなおしていきます。
下記の例では、10年後に金利が2%上昇しても、繰り上げ返済によって、返済総額に1,000万円の差が出ています。もちろん逆の差になる場合もあります。ぜひ、参考になさってください。
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