MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

佐藤 章子(さとう あきこ):
コンサルタントオフィス ハウステージ 代表。 CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。

最近のご質問

過去のご質問

『住まいの地震対策-1』 地震に強い家を建てる[question]

日本は地震の起こりやすい、「地震国」です。しかし、地震について私たちが把握できていることは、ごくわずかです。関東大震災や阪神・淡路大震災のような大きな災害に、いつまた見舞われるかわかりません。だからこそ、大地震が発生するたびに、新たな発見があり、その都度建築基準法が改正されてきたという経緯があります。

現在の建築基準法に規定されている耐震性能基準も、“どんな地震が来ても絶対に大丈夫”というものではありません。少なくとも“安全に避難ができる猶予時間がある”…という規定です。
それでも、阪神・淡路大震災の時の被害状況を見ると、最初からしっかり建てられていたり、改修されたりしている建物は、被害がさほどありませんでした。このことからわかるように、地震対策は住まいづくりの上で、最も重要なポイントです。

日本は「地震国」


◆耐震構造・制震構造・免震構造

地震に対処する構造として、耐震構造制震構造免震構造があります。それぞれの構造にも、さまざまな工法があります。たとえば木造の耐震構造で考えてみると、「筋交いで補強する」、「柱を太くする、本数を増やす」、「壁を強くする・多くする」…などがあります。

身近な例をとって、それぞれの構造の違いをイメージしてみましょう。
みなさんが電車に乗っていたとします。電車が急停車や急発進をすると、体は大きく揺れます。これに対して、自分が倒れないようにするためには、どうしたらいいでしょうか。

まず、耐震構造に該当するのが、座席に座ったり、壁面に寄りかかったりして、なるべく体の多くを電車に接するか、杖などでバランスをとるイメージです。つまり、自分自身を強くすることです。ですから、子供より体のしっかりした大人の方が、揺れには強いでしょう。

また制震構造とは、つり革につかまった状態のようなイメージです。揺れたら、つり革でぐっと耐えて揺り戻します。この揺り戻したり、加わった力を分散させるのが制震構造です。

そして免震構造とは、ローラースケートのようなものを履いて、電車に乗っているようなイメージです。揺れに対してローラーはすべるかもしれませんが、人間には力が加わりません。しかしそのままどこかへ行ってしまっては困りますので、ローラーの動く範囲は限定されます。つまり、建物に力がかかるのを少なくするのが免震構造です。

それぞれの構造の違いについては、以前にもコラムに掲載しましたので、ご参照ください。
▼免震構造と耐震構造の違いについて教えてください。


地震に強い工法は?


◆耐震改修の支援制度

政府は平成27年度までに、耐震改修を必要とする住宅の改修率を90%にする方針です。そのためにさまざまな取り組みが用意されています。

耐震補強や改修工事には、さまざまな方法があります。建物全体の耐震性能を高めるものの他に、寝室やいつも過ごす居室など、一室のみを堅固にする方法もあります。全体の性能アップは技術的に難しいケースでも、グラッときたら逃げ込める部屋があれば安心です。

<自治体の耐震改修工事助成制度>
耐震診断に要する費用、耐震改修工事に要する費用の補助金制度があります。国と地方自治体がそれぞれ補助金額を按分して支援しています。

<住宅金融支援機構のリフォーム融資(耐震改修工事)>
耐震改修や耐震補強のための融資を行っています。通常の基準金利より、0.2%低い金利が適用されます。

<耐震改修促進税制>
一定の地域内において、耐震改修に要した費用の10%相当額(20万円限度)を所得税額から控除されます。また固定資産税も一定期間1/2に減額されます。

※上記以外に、地方公共団体独自の制度もあります。最寄りの自治体などでご確認ください。


耐震改修や耐震性能を基準より高めるためは、それなりに費用がかかりますが、地震によって一瞬にして財産と生命さえも失いかねないことを考えれば、何よりも先に耐震性能を確保しておくべきだと思います。

また、家そのものの耐震性能ももちろん重要ですが、阪神・淡路大震災では、家具の倒壊によって命を奪われた人も多かったそうです。家具は、震災時には凶器にもなりかねません。

次回は、家の中の地震対策についてまとめてみます。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.interblog.jp/bizmt/mt-tb.cgi/825

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


PAGE TOP