
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
充分に害虫対策や換気について考慮された住まいであっても、日々の管理がずさんであっては全く意味を成しません。前回の住まいづくりの上での注意点に続いて、今回は日々の暮らしの上での対策について考えてみましょう。
◆エサと湿度と温度の原則
まずはエサとなるものを残さないようにしっかりと掃除をすることが大切です。これからの季節は特に、食品の保管に注意を払いましょう。食事の後片付けを速やかに行うなど、日々の地道な積み重ねしかありません。
そして、換気に気を配ることも大切です。設計の段階で換気計画を綿密に考えても、日々の換気への配慮が不十分だと、効果は期待できません。
外出するとき、換気を止めてしまうことはありませんか?それでは意味がありません。夏場に締め切って外出すると、室内の温度が高くなり、害虫の生息の好環境となってしまいます。浴室や脱衣室、キッチンなどの水分も常時除去しておきましょう。日中不在のご家庭は、特に注意が必要です。
◆個別の管理
一口に掃除といっても、毎日のことなのでかなり面倒です。決め手となるのは、「収納」と、「布団の管理」の2つです。これらをいかにラクにこなすかで、害虫対策の成果は大きく違ってきます。
<収納の管理>
タンスが室内にあると、壁とのすき間ができるため、そこにホコリが溜まってカビが発生する原因となるばかりか、ゴキブリなどの害虫が潜む場所にもなってしまいます。耐震対策のために、金具で固定されていたりするとなおさらです。底に保護シールを貼るなどして簡単に移動できる対策を施し、年末と虫干しの季節の年2回の大掃除のときには、タンスの裏も清掃できるようするとベストです。
また収納内部の保管箱は、ゴキブリの巣になりやすいダンボールは避けて、大きさのそろった透明のプラスチックケースなどを利用しましょう。キャスターをつけて移動できるようにしておくと、掃除もだいぶラクになります。
季節以外のものが入っているケースは、マスキングテープなどで封をしておくと良いでしょう。ケースは特別な密閉式のもの以外は、結構すき間があるものです。最近はいろいろな柄のマスキングテープも市販されていますので、好きなものを選んでみるのも楽しいですよ。
また、使わない布団や枕、クッションなども、圧縮袋や専用の収納袋、プラスチックケースに保管します。収納内部の整理整頓のシステムが、害虫対策の大きな部分を占めると思います。
<布団やカーペットの管理>
ダニが最も多いのが布団です。干して乾燥させることや、掃除機をかけることも大切ですが、定期的に丸洗いをすると効果的です。
一昔前はカーペットの床が人気でしたが、ダニのアレルギー問題が叫ばれるようになり、あっという間にフローリングの床が大半を占めるようになりました。しかし、床はフローリングでも、カーペットやラグを置敷きにしていると、害虫が発生する原因となりますので、注意が必要です。
ソファを置いているご家庭も多いかと思いますが、その上にぬいぐるみやクッションを置きっぱなしにしていませんか?また、それらはどのくらいのペースで洗っているでしょうか。家具や小物類は必要最小限のモノを効果的に使い、常に清潔に保つ工夫をしましょう。
<ペットの管理>
犬や猫などのペットは、ノミやダニの住処となります。ペットは家中を移動しますから、より徹底した管理が必要です。ペットを飼われている方は、ペット用品が室内にあふれがちになり必要なものだけ用意するように心がけましょう。獣医師と相談の上で、ノミやダニの予防薬を摂取させるなどの適切な処置と、ブラッシングやシャンプーなどの抜け毛対策も重要です。でも結局は、人間にとって良い環境はペットにもよい環境だといえるのです。
◆害虫の駆除
殺虫剤などは、極力使いたくないものです。ホルムアルデヒドなど、建材などから発生する空気中の有害物質が問題になりましたが、殺虫剤・防虫剤・芳香剤などには無頓着ではないでしょうか。ペットやお子様のいる家庭では、うかつな駆除剤は使えません。子供などの来客のことを考えれば、やはり安全なものであることが望ましいです。
しかし、どうしても使わなければならないときは、化学製品ではなく、ハーブなど自然のものから作られたものがおすすめです。農家では、作物を害虫から守るために、虫除けの効果がある植物を植えるなどの暮らしの知恵がありました。できれば卵を生む前に駆除することが大切です。
大人のアトピーは、ベッドと机だけの何もない部屋で暮らすと直るといわれています。余計なものを置かないようにすると、クッションやソファなど、ダニなどの害虫が生息しやすい環境が少なくなるほか、掃除がしやすいので、清潔な部屋が保てます。できるだけモノがないシンプルな部屋を心がけましょう。
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