MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。 CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。

『小さな庭を楽しむ-1』 庭の楽しみ方[question]

都会では、戸建住宅であっても、広い庭を作るのはなかなか難しいのが現状です。しかし日本人にとって、室内と屋外の空間とのつながりは重要であり、狭いながらも庭を楽しみたいという要望は強いものです。
それでは、どのようにすれば小さなスペースでも充実した庭の空間が作れるのでしょうか。


◆小さな庭を作るコツ

限られた面積の中に庭を作る場合、“庭でどんなことを楽しみたいか”を明確にすると、作りやすくなります。結果的にいろいろ楽しめる庭であっても、一番重要なものが何かを考えることが大切です。

<季節感を楽しむ>
実のなるものや、花と紅葉がどちらも楽しめるものなど、植物を最低1本植えると、季節感が味わえます。たとえば、小さなしだれ桜が1本あるだけでも、毎年その季節が待ち遠しくなるはずです。1株ずついろいろな種類を植えて、季節ごとに順々に楽しんでいくのも良いと思います。

<緑を楽しむ>
木の葉が重なって風に揺らめいているのを見るだけで、心が休まります。また、葉の影がカーテンに映るだけでも楽しいものです。大木を植えることができなくても、窓辺に広葉樹を配置すると、動きのある緑が楽しめます。目隠しを兼ねるのであれば、笹なども良いと思います。
夏場の陽射しを和らげるブドウや藤棚、ヘチマやゴーヤなども、狭いスペースでボリュームのある緑が楽しめるので、おすすめです。

<花を楽しむ>
花の場合はさらに細かく、「いつも花がある生活が良い」、「桜を楽しみたい」、「もみじを楽しみたい」などと、細かく考えていきます。あまり植えすぎてもお手入れができなくなってしまいますので、自分ができる範囲と合わせて考えることが大切です。


小さな庭を作るコツ


<家庭菜園を楽しむ>
狭い庭の場合、本格的な菜園を楽しむというよりは、鑑賞を兼ねた植物の方が無難です。プランターなども活用して、日当たりが良い場所に配置します。鉢やプランターにもこだわると、狭くても乱雑になりません。

<太陽や風を楽しむ>
目で緑を楽しむだけでなく、葉や枝が風でざわめく音や、窓や室内の床や壁に映る葉陰などの効果もあわせて考えてみましょう。大きな窓がなくても、地窓や小さな窓から外の息吹を取り込むことができます。

<食事や団らんを楽しむ>
屋外で朝食やランチを楽しみたい場合は、道路などからの目隠しや、室内とのつながりが重要です。外に出られる季節に、しっかり葉が茂っている植物で目隠しを作ることと、木陰の配置、テーブルやイスを置くスペースと緑のスペースの比率なども大切なポイントです。


◆生活のシーンと合わせて考える

一方、生活のシーンと組み合わせて考えると、より庭が作りやすくなります。

<入浴>
日本人は、入浴の時間を大切にします。バスコートであれば、それほど大きな面積を必要としません。コケや石などをアレンジした庭も、風情があって良いものです。
また、思い切って日当たりの良い場所に浴室を配置して、季節の花を眺めながら休日の朝風呂を楽しんでみるのはいかがでしょう。最高の贅沢かもしれません。

<料理と食事>
パセリやしそ、みょうが、タイムやローズマリーなどのハーブであれば、それほど場所をとらずに育てることができます。ちょっと摘んで料理のアクセントに活用すれば、庭も生きてきます。
またはお休みの朝や天気の良い時などは、デッキでハーブティを楽しむなど、「食」にまつわる楽しみ方はいろいろありそうです。

<洗濯・家事>
パリッとお日様で乾かした洗濯物ほど、気持ちの良いものはありません。家事の機能性を一番に考えたうえで、緑を楽しむこととの共存を考えてみる手もあります。


生活のシーンと合わせて考える


◆庭は立体で考える

少ないスペースを生かすには、緑をどこかに集中させると効果的です。そのためには、地面だけで考えると緑の量が限られてしまうため、四方と空も合わせた6面で考えます。

<木陰を作る>
1本の木によるものでなく、いろいろな植物を組み合わせても良いので、どこか一箇所に木陰を作るのがポイントです。ベンチなどと組み合わせると、自然と人が集まる“場”ができます。小さな庭は、人が楽しめる空間にすることが大切なのです。

<上へ伸ばす>
地被類・草・潅木・中木・高木…と、順々に日当たりを考えて配置するのが一般的な庭ですが、小さな庭ではその余裕がないことがほとんどです。生垣や門柱・、塀を覆うツタなどを効果的に利用して、立体を生み出しましょう。

<空を活用する>
藤やブドウなど、つる性の植物で棚を作ったり、バラなど好みの植物でアーチを作ったりするだけでも、ボリュームが生まれ、より立体的な庭になります。

次回は具体的な庭の形から、小さな庭作りを考えてみたいと思います。

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