
佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。
CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。
前回は、狭いスペースに庭を作るコツについてお話ししましたが、今回は庭の形から、さまざまな庭の作り方をイメージしてみましょう。
◆庭の形から考える
<中庭・坪庭>
小さな庭でも、建物で囲めば凝縮された空間が確保できます。日当たりは必要ですが、たった1本の木だけでも、新緑や紅葉、冬枯れなどの四季を感じることができます。完全なロの字型の中庭でなくても、コの字型や、L字型などでも、充分に室内と一体になった中庭を演出することが可能です。
<コートハウス>
コートハウスとは、それぞれの部屋に面して庭を配置していくスタイルです。サービスヤード・バスコート・アウトドアリビング、アプローチなど、庭の性格には本来、用途に応じた違いがありますが、それらを分離することによって、一つ一つは小さくても、機能的で凝縮された濃密なスペースを作ることができます。
<濡れ縁・デッキ>
まとまったスペースを確保できない場合は、思いきってデッキ等を敷地境界まで延ばして、手すりとフェンス兼用の生垣などで立体的に緑を集めると、スペースは小さくてもボリュームのある緑を楽しめます。
藤やブドウ棚を作れば、夏場は緑に囲まれたさわやかな雰囲気を味わうことができます。
<屋上利用>
都市部では屋上も貴重なスペースです。最近は、屋上でのガーデニングに適した軽量土などの素材や、耐久性・防水性にすぐれた材質なども開発されていますので、屋上でも気軽に緑を楽しむことができます。
◆小さな庭のためのテクニック
<緑は集中させる>
コートハウスのような場合は別として、庭はできるだけまとまったスペースを確保するのがコツです。
その中の緑の配置も同様で、細い中木などは、まとめて株立にするとボリュームが出ます。中・高木、潅木、草木などをかたまりとして組み合わせると、散漫になりがちな小さな庭でも見栄えがします。
<立体的に作る>
平面の面積は小さくても、生垣やパーゴラなどを活用して立体的なボリュームを確保すると、豊かな空間になります。ほんのわずかでも、“緑に囲まれている”部分を作ると、居心地のよい空間になります。
<建物と組み合わせる>
小さな庭は建物との相関関係が重要です。窓の位置や大きさ、建物の形や間取り、塀・デッキなどの外構設備などを上手に活用することが大切です。
<緑を目の高さに持ってくる>
日常の生活の中で、いつも緑が視線の中にあることが大切です。室内外からの、自然な目線の位置に緑を配置すると効果的です。密集した都会では、リビングを2階に設置するメリットは少なくありません。2階にデッキを作ると、光と風にあふれた屋外スペースとなります。1本の高木を植えるスペースがあれば、むしろ1階より枝や葉の部分を身近に楽しめます。
◆小物が庭を効果的に生かす
狭いスペースで緑を楽しむ場合、鉢植えの植物を活用することが多くなります。できれば鉢の色や材質などを統一すると、スッキリとまとまります。次第に数が増えがちですが、鉢類も生け花の要領で、メインの鉢と脇や控えのものなど、メリハリをつけると乱雑さがなくなります。また、ベンチやデッキチェアなども上手に活用したいものです。
小さな庭は、見て変化を楽しめることと、居心地のよさが大切です。家の中に例えると、自分だけの書斎や隠れ家のような、思わずワクワクしてしまうような空間を演出することが、成功のカギかもしれません。
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