MODERN Club/不動産よくある質問Q&A

佐藤 章子(さとう あきこ):
ハウステージ有限会社代表。 CFPと一級建築士の資格を生かして住まいと暮らしのコンサルタントとして活躍中。

『平成23年度の税制改正大綱-2』 生前贈与の枠拡大[question]

第1回に引き続き、今回は贈与税と相続税の改正の詳細について説明していきます。
今年度の改正は、購買意欲のある子や孫への贈与を促進させる意図があります。また、税収拡大のために相続税の基礎控除額を大幅に縮小している点が特徴です。


◆贈与税の仕組み

<1.暦年課税>

その年に受けた贈与の総額の合計が110万円までは非課税です。越えた部分は、翌年確定申告します。

(例1) その年に受けた贈与が下記のような場合は無税です。
父から50万円+友人から10万円+伯母から50万円=合計110万円
(例2):(その年に受けた贈与の合計-110万円)×税率-控除額=贈与税額となります。

<2.相続時精算課税制度>

相続時精算課税制度とは、生前に子に贈与した金額を、その親が死亡した時に相続財産額に加えて相続税を計算する仕組みで、税金の先送りとなります。
相続税は、贈与税と比較すると基礎控除額が多く税率も低いため、相続財産が少ない場合は税額が少なくなったり、最終的に非課税になったりする場合もあります。

※制度の要件
  ◇65歳以上の親から20歳以上の子への贈与
   (住宅取得資金の贈与に関しては、平成23年12月31日まで年齢制限要件を設けない。)
  ◇累計2,500万円までは非課税。越えた部分は20%課税される。
  ◇親の相続時に相続財産に加算する。
  ◇制度を利用して贈与を受けた場合は、翌年の3月31日までに申告する。
※いったん相続時精算課税制度を利用すると、暦年課税制度には二度と戻れません。

<3.住宅取得に関する贈与の特例>

 暦年課税制度利用 : 110万円+1000万円
 相続時精算課税制度利用 : 2,500万円+1,000万円


◆贈与税の改正

下記の表は、暦年課税の現行法と今年度の税制改正大綱とを比較したものです。この改正には、資産を保有する高齢者から、購買意欲の高い成人した子供や孫に贈与を促進することで経済を活性化する狙いがあります。


暦年課税の現行法と今年度の税制改正大綱


※相続時精算課税制度の改正点(23年度税制改正大綱より)
・平成23年1月1日以後の贈与
 贈与者:60歳以上の親または祖父母
 受贈者:20歳以上の子または孫


◆相続税の改正

<基礎控除額の引き下げ>

 現行:5,000万円+1,000万円×法定相続人数
 改正:3,000万円+600万円×法定相続人数

夫婦と子供二人の家族で夫が亡くなった場合は、現行だと8,000万円まであった基礎控除額が、改正により4,800万円に削減されてしまいます。

<税率の変更>

税率の変更


<死亡保険金にかかる非課税枠の縮小>

 現行:500万円×法定相続人数
 改正:500万円×下記のいずれかに該当する法定相続人数
   (1)未成年者(2)障害者(3)相続開始直前に被相続人と生計を一(いつ)にしていた者

<未成年者控除額と障害控除額の拡大>

 現行:未成年者控除額→6万円×20歳に達するまでの年数
    障害控除額→6万円×85歳に達するまでの年数
 改正:上記の6万円を10万円とする


税制改正大綱の内容は先日国会へ提出されましたが、今後の審議を経て、3月末までに正式決定される予定です。
住宅の取得を考えている方は、きちんとチェックしておきましょう。

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